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穏やかな情交(1)

穏やかな2学期も終わり… 僕らは再びクリスマスを迎えた。 学院は冬休みに入っていた。 僕は弘真に誘われて、 都内のとあるホテルに外泊に出た。 「ホントは冬休み中、貸し切りたい所だけどね」 「ホテルを?」 「いや、郁くんを」 「…」 「そんな事したら、いつぞやの暑苦しい律也みたいになっちゃうからなー」 「あははは」 僕らはそのホテルの、最上階のダイニングバーで 夜景を見ながら食事をした。 その夜景は… いつか冬樹と一緒に見た景色に似ていた。 「きれいだね…」 僕は呟いた。 「…君の方がきれいだけどね」 「くっくっくっ…それ、マジで使う?」 「俺は割としょっちゅう言ってるよー」 弘真は生粋の遊び人だよなー 僕におつき合いを断られてからも、 僕以外とも、それなりに色々と… 交友関係をもっている風だった。 万一つき合っていたら… そうでは無かったのかもしれないけど 「部屋に行くか…」 「…うん」 僕らは部屋に戻った。 最上階ほどではなかったが、 その部屋の窓からも、きれいな夜景が見えていた。 「電気…消してもいい?」 「いいけど…」 僕は部屋の電気を消した。 暗い部屋の窓に… 外の夜景が鮮やかに浮かび上がった。 その窓際のテーブルを挟んで、 僕らは飲み直した。 そのうちに弘真が言った。 「こっち来て」 僕は弘真の隣にいった。 「ズボン脱いで」 言われるがまま、僕はズボンを脱いだ。 彼は僕を…自分の膝の上に乗せた。 そして、僕のシャツのボタンを…ひとつずつ外した。 「飲ませて…」 僕は手を伸ばして、テーブルの上からグラスを取り… 水割りを口に含んで…弘真に口付けた。 「…ん…」 僕の口から、彼の口へ… その液体が流れていった。 ゴクン… 弘真はそれを飲み干すと… 僕の乳首を弄った… あーつまみに飲みたい感じですね… 僕はまた、グラスを取った。 今度は自分が飲んだ。 「…んっ…」 弄られながら飲むのも… ちょっと美味いと思ってしまった。 「俺にももっと飲ませてよ…」 僕は再び…彼に口移した。 ゴクン… 再びそれを飲み干した弘真は、 とても穏やかに微笑んだ。 「俺、今すげー幸せ…」 「…」 「こんなシチュエーションで、お前に酒飲ませてもらえるなんて…」 「…そんなに?」 「うん…最高のクリスマスだわー」 そう言いながら彼は、僕の胸に顔を埋めて、 僕の身体を思い切りギューっと抱きしめた。 僕はそんな弘真の髪を撫でながら… 横目で窓の外をチラッと見た。 「…僕も…幸せだよ」 「…ホントに?」 彼は顔を上げて僕の目を見た。 「…嘘だ」 「…嘘じゃないよ」 「…だってお前…営業用の顔してるもん」 弘真はそう言って、少し拗ねた表情をしてみせた。 でも、またすぐに笑顔に戻って続けた。 「…それでも、幸せ…」 「ふふっ…」 僕は、笑って彼にそっと口付けた。 そして言った。 「幸せ…なんだけどな、とりあえずは、ホントに…」 「うん…とりあえずでも、いいよ」 そう言いながら弘真は、 僕を後ろ向きに座り直させた。 そして後ろから手を回して、 僕の両乳首に、指を這わせた。 「んんっ…あっ…」 僕はビクビク震えながら、また窓の外を見た。 「はっ…ああっ…」 彼の右手が、滑り下りて…僕のモノを捉えた。 「そんなに、夜景好きなの?」 「…んんっ…あっ…」 僕は震えながら、小さく頷いた。 すると弘真は、手を止めて…僕を立たせた。 そして自分も立ち上がって、ズボンを脱ぎ捨てた。 そのまま彼は、背中から僕を抱きしめて、 窓の方を向いた。 そして僕の両手を取って、窓ガラスを押さえさせた。 「これなら、めっちゃよく見えるでしょ」 「…」 その体勢のまま…弘真は、立ったまま… 僕の中に、自分のモノを押し込んできた。 「…んっ…あっ…」 そしてそれがしっかり奥まで入ると… また、後ろから…僕のモノと乳首を愛撫し始めた。 「はっ…ああっ…」 僕は窓ガラスにしっかり手をつきながら… ビクビクと身悶えた。 目の前に広がる夜景の灯りが… チカチカと揺れて見えた。 「…あっ…ああっ…ん…気持ちいい…」 僕は思わず呟いた。 弘真のモノが、僕の中でドクドクと脈を打った。 それがまた、乳首の刺激と相まって… 僕のモノは、彼の手の中で一層いきり勃っていった。 弘真が、ゆっくり腰を動かした。 「はっ…あっ…」 彼が奥へ突くたびに… 僕の身体に、大きな快感の波が押し寄せた。 「あっ…あっ…ああっ…」 目の前の夜景が、どんどんボヤけていった。 「…んんんっ…あっ…」 そして僕は、大きく震えながら…絶頂を迎えた。 弘真はそれを確認すると、 そのまま激しく腰を動かした。 「…んっ…あっ…あっ…んんっ…」 彼も、僕の中に吐き出した。 「…はぁ…はぁ…」 「は…あ…」 息を上げながら…弘真は、僕の身体を抱きしめた。 「…やっぱ、最高に幸せー」 「…うん」 とりあえず…僕も、ホントに幸せだと思っていた。 でもやっぱり…この夜景は… ほんの少しだけ、僕を切なくさせた。

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