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第31話 お仕置きの成果?

「やがて男はお前の中に熱い熱い種を撒き散らした。それらは何も生み出す事なく近いうちに死んでしまうが、お前はなんとしてでも逃さまいと、必死にガバガバの尻の穴を締めた。そうする事で男のそれを強く感じ、いつしかお前も熱い種を出した……」 熱いその感覚。想像するだけで軽くだがイッてしまう。もっと欲しい、本物が欲しい。もどかしくて壊れてしまいそうだ。涙だの汗だの、顔から出るのもがいっぱい出てる上に、みっともない喘ぎ声が止まらない。しかし不思議なことに何も言われない。揶揄われることもなければ、軽蔑されていることもない。高松は俺を抑えたまま、ただ静かに見ていらだけだった。 「な、なに?」 黙られるのもそれはそれで怖い。こいつの言う通り、俺は確かに欲しがりだ。抱きしめられるだけでは物足りなくなっている。高松の言葉が聞きたい、そう思ってしまった。 「いや、思った以上に雌らしい可愛い声出すなと思って」 驚きすぎて声が出なかった、息の根が止まるかと思った。さっきまで快楽を餌に色々調教されてた感があるなかでの突然のデレに、思考が停止してしまう。そんな中でも高松の可愛いコールは止まらない。 「どうした、指じゃ足りなくなったのか?可愛いな」 「女みたいな声、踊り子というより男娼って感じだな。可愛いからいいけど」 「ケツの穴はそんなに気持ちいいかよ、ド淫乱。ドMみたいで可愛いぜ」 ここまで可愛い責めをさせると流石に恥ずかしい。もっというと褒め方自体にもちょっとSっ気があるような……こんな言葉をかけ続けられると、俺がおかしくなってしまう。自分自身を可愛いと、ド淫乱だと、ドMだと、錯覚してしまう。本当にそうなわけはない……よな? 「ん?そろそろイクか?誰にも手をつけられてないのにイク気かよ」 「うぅ……さ、わあってぇ、よ……、1人…はいやぁ、ひとりは、いやぁ……」 無様に腰を振って見せる。そこには俺の息子、とっくに役割を放棄した悲しいそれがある。今にもイきそうな、そして他者からの刺激を求めてプルプル増える様子は、もうお世辞にも雄の象徴とは言えなかった。 寂しい。悔しいが、この身体はもうイクための準備を完了してしまっている。あと少しの刺激でイける。でも寂しい、見られているとはいえ、一人だけで快楽を貪るのは無性に寂しかった。我ながらとんでもない変態だ。現実世界では彼女もいないから一人で致していたけど、異世界に来て急に俺の知りたくもなかった性癖が馬鹿みたいに暴かれている。 「こんなドMでいやらしくって誘うのが上手なド淫乱、真田はさぞ興奮しただろうな」 少しため息をつかれた気がした。引かれたと思って思わずビクビクしてしまう。でも俺の嫌な予感とは対照的に高松は更に俺の体を強く抱きしめた。怖かったけど、あわよくばと考える胸の高まりは収まることを知らなかった。 「いいよ。手だけ貸してやる」 片手を離されたと思うと、急にその瞬間はやってきた。前の、完璧に油断していたそこに手が触れた。なんだか転移する前より小さくなってる気がする俺の息子は、いとも簡単に包まれた。誰にも触られたことのない、仁だって後ろしか弄ってないのに、前を他人にいじられるのは初めてだった。 「ヒッィ?!ま、待って……?無理、むりィ……」 性感帯を他人に支配される感覚はいつまで経ってもならないと思う。その証拠に身体が震えをいつまでも止めなかった。 「触られたいんじゃなかったのか? ……これは思ったよりいけるな、そんじゃそこらの女よりエロい、可愛い」 男同士なだけあってちゃんといいところを知り尽くしている。今まで忘れていた、忘れかけてしまった射精感を思い出し始めた。 「後ろの手を休めるな、どうせだったらどっちとも弄ってイけ」 「は、はいぃ」 高松の俺へのお仕置きは上手くいったのか、はいと従順に返事をしてしまった俺をみて満足そうだった。前から後ろから、自分で弄って他人に弄られて、さまざまな快感でごった煮になった俺の身体。もう目の焦点が合わない、チカチカしている、ただようやく誰かに触られた、嬉しいしか脳が命令を出していない。 「すげぇアヘ顔だな。イク時はこう言え、「今からイきます、俺のいやらしいメスイキいっぱい見てください」ってな」 そんなこと言ったら、戻れなくなる。意地悪してもらわないとイけない体になってしまう。しかし俺のなけなしのブレーキは、そんな声を一切として通さなかった。こう言えば気持ちよくなれると、自然と身体と口が動いた。 「今っから、イきぃまぁす!おれの、いやらぁし、い、メスイキいっ……ぱいぃ…見てぇくだしゃい!」 自分何言ってんだと思う思考回路はとっくの昔に叩き壊した。俺のド淫乱台詞でようやく気が済んだのか、高松は妖艶に笑った。 「そうかそうか、そんなにイきたいか……イけ」 「!?」 後に聞こえたのは、歓声のみ。俺の歓喜に振るえた喘ぎ声が鼓膜を揺すった。命令口調でイッた、俺の股は、もう従来の射精の仕方を忘れたと言わんばかりの、勢いのない白濁液の放出があるばかり。 「こんなんじゃ一生女抱けないな。これに懲りたらもう偉そうな口を叩くな、いいな?」 「はいぃぃ……ごめん、なしゃい……」 ご褒美と言わんばかりのたくさんのキスが身体中に落とされる、多幸感に包まれたまま、ゆっくりと目を閉じた。普通の少し違う二度寝だと、俺も意識を手放した。 巳陽梓は被虐趣味《マゾヒスト》を取得した。

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