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第70話 憂さ晴らしかもしれない
ベットの上で男のクラスメイトが全裸になって俺を見ている。それだけでもなかなかにインパクトがあるのに、それが健吾ってだけで犯罪臭がする。俺悪くない。
緊張とはまた違った感覚に支配されながらも健吾に性指導をしようとする、口では言えるものだがいざやるとなるとまず何をすればいいんだ。そんなこと思いながらも、差し出されたそれを優しく握った。あれだろ、もうつまりは抜き方を教えればいいんだろう、多分。
「痛いか?」
「う、んん。痛くないよ、でもちょっとムズムズするかな……」
それならまあ生理現象だし問題ないかな。ちゃんの反応してるっぽい。元々勃起してるから、後ちょっとの一押しでなんとかなるな。
「ここら辺気持ちいいだろ?」
「ま、待って!それ、たいへんだよぉ……」
「大丈夫だ、それが気持ちいいって事だから。ちゃんと気持ちいいみたいだからな」
今までは自分が一方的にされていた分、こんな風に攻めるのは少し新鮮だ。すっかおかしくなった俺自身を嘲笑しつつ、今はこの背徳的な感情を満喫していた。あんなに俺を攻めてて楽しそうだった仁の気持ちが、今なら少しわかるような気がする。
でもこうやって刺激してやるだけじゃあ駄目だ、アナニーには所謂……オカズが必要なんだ。どう説明したらいいんだろう、いや抜けること考えろって言えば……そもそも抜いたことがない奴には無理だ。
「ん?どうしたの?」
どう説明すれば良いものかと思っていたが、先に健吾の方から心配された。自分が顔に出やすいことなんて、異世界に来てから十分にわかっていた。しかし健吾にすら見破られるとは予想外。俺に出来るのは隠す必要性はないと開き直ることだけだった。
「あ、ああ。いいか、オナニーするにはな、お、オカズが必要なんだ!」
「おかず?」
そうだよな、突発的に言っちゃったけどそんなん健吾は知らないよな。ある意味ちゃんと予想通りだった。オナニーを知らない奴に簡単に説明するとしたら、あれだ。
「お前がエロいと思うものを想像してくれ」
「エロい?」
「いやらしい物だよ!」
まさかとは思うがエロいも知らねえのか。しかしいやらしいと言うと案外理解してくれたようで、俺に股間弄られながらも、懸命に考えていた。しかし、
「……梓が1番いやらしいよ」
「じゃ、じゃあそれで……」
急に真っ直ぐな目で告白をかましてくるもんだから油断できない。決して想像している愛の告白と比べては下品だし、そもそも健吾は俺より身長低いどころか弟みたいなものだから違和感しかない。でもそれでも健気でカッコよく見える摩訶不思議な柿原健吾マジック。
「あずさぁ、僕ね、あずさに気持ちよくしてもらってすっごく嬉しいよ」
「……うん」
「僕、あずさともっと気持ちよくなりたいよ……」
健吾は未知なる性欲求と、それに必要な経験や知識が備わっていないせいか、なんだか歯痒そうに腰を揺らしている。これは俗に言う無知シュチュではないのかと、頭の中にいらん考えがよぎった。ただ健気に感じるその姿は存外可愛くて、もうちょっと色々やってもいいかもとか油断してしまう。
「もうちょっと色々してやろうか……?」
「ん、あう、いっ色々ってなに?」
健吾は要領を得ていない。感じて頭がチカチカしたりぼーっとする気持ちすごいわかる、俺も最近になってめちゃくちゃ体験したからな。やばい、俺も腹がジワジワしてきた。なんか発情の沸点がどんどん下がってきてる気がする。このままだと元の世界帰る頃には、ウサギみたく晩年発情期になっちまうんじゃないのだろうか。
そうなったらまた仁に抱いてもらうんかな。ひょっとして俺は結婚するしない関係なく、仁がいないと生きてけない体になっていくのかも……いやらしいことを考えていると、新しい自分が次々現れる。そのうちの一人に、理性の糸をプツリと切られたような気がした。
「……あずさ?」
「そ、その、ごめん。ちょっとお前のチンコ借りる、あと俺は正気を保てそうにない」
混乱しているが知ったこっちゃない、右手で掴んだまま左手で少しずつ服を脱いでいく。服と言っても返し損ねた仁の上着だから、片手でも脱ぐのは容易だった。他人のものだから汚さないようにと、適当に遠くに放り投げた。
自分が身体の小さな健吾よりもメスになっているのは、一種の敗北感すら感じた。しかし思ったよりも大きい握っているそれは、俺を高める一つの要因だった。俺を怯えながら見上げているその瞳にこれまたゾクっと来た。踊り子どころか淫魔としても才能を開花させつつあるんだろうな、まあ今は気持ちよくなるのが先だ。
「なあさ、俺ともっと気持ちよくなりたいんだろ? なら任せとけ、最高に気持ちよくなろうな」
「あ、あじゅしゃ、まって」
元々舌足らずなのに更にかみかみだ。可愛いな。今日は魔王にレイプされるわ明に不完全燃焼なまま放置されるわ、兎に角鬱憤が溜まっている。仁という名のストッパーがいないまま性欲が一人歩きした俺は、欲求のままそっと尻を慣らし始めた。
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