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第88話 友情の崩壊

明からの視線にふじやんは露骨に目を逸らした。これは自分は主役じゃなくて油断してたって感じだな。今まで拘束こそはされても痛くもない上、これ以上のことをされなかったから、油断していたのは俺もそうだけど。仁より大きなその腕や胸で抱かれるのは……怖くはない、なんせふじやんだからな。嫌だとかも特に思わない、ふじやんだから。 ここまで心を許していたのかと自分でも驚きだ。思うのはただ一つ、恥ずかしい。今まで普通の友達として遊んできた、沢山世話になった、初めて友達と焼肉を食べれたのに。そんな相手とセックスするのは、流石に恥ずかしい。あんまり話したことのない仁の時とはまた違った恥ずかしさだ。 「ふ、ふじやん……」 「ほれほれ藤屋、目が泳いでるぜ。これも梓のためだって。友達なら覚悟決めろよな」 言い方は悪いけど、俺としては薫よりもふじやんの方がずっと好きだ。だからどっちとセックスしたいと聞かれれば間違いなくふじやんだと断言できる。でも迷いがあると言えばそれはあって当然、むしろ不安だった。俺のこんな姿を見て幻滅していないか、もう友達ではいてくれないかもしれない。 ふじやんはスーハーと深呼吸をするばかりで考えていることが読めない。見上げる俺がどんどん滑稽に思えてきた。するといきなり俺を180度動かして向かい合うような体勢にする。何をするつもりだ、3人が俺たちを見る目が少し恥ずかしい。顔が近づいて行くほどに頭がぼーっとしていくのが恥ずかしい。近づいて近づいて、そのままそっとキスをってちょっと待てや。 「ふぁ! ちょ、ふじやん……」 「ごめんな梓……これも全部お前のためだ」 何を言っているのかさっぱりわからないが、眼が本気だ。他人のことを思うその目は決して偽りでは出せないモノだと思う、特にふじやんみたいな人が嘘をつくなんて、俺は考えたくもなかった。これは思考停止なのかもしれない。でもあんな目で見られたら、いうこと聞かなきゃと思ってしまった。 「……いいよ。お前の好きに抱いて欲しい。もう散々突っ込まれて中にも出されて、締まり悪いから気持ち良くないかもだけど」 「だ、大丈夫だ。俺としてはお前の方が心配っていうか」 その心配はいらない。自慢出来たことではないが俺はもう何回と抱かれてきたし、入れられはしなかった行為も足し合わせると、もう慣れてしまうレベルだと思っている。でもそうやって慢心してる時に限って中を見るのが俺クオリティなんだよな。 申し訳なさそうにパンツを脱いだフジやん。俺の目に入ったそれを見るだけで、確かに戦慄を覚えた。大きい、大き過ぎる。もう大きいを超えてデカイの域だ。俺はこの短期間で様々な男のチンコを見てきたし、入れも入れられもした、その中でもトップレベルに大きい。いつもなら見た目に負けない大きさ、流石ふじやんと言えるぐらいの余裕はあるが、生憎今回に限ってそんな余裕はない。 「ま、待って……それ入れんの?」 「うん、そのつもり。あ、大丈夫だ、流石に全部入らないから。と言うよりそんなことしたら梓が壊れそう……」 その気遣いは心の底から恐悦至極と言える。でも怖い、さっき怖くないと言ったな、あれは嘘だ。と言うより困難見せられたら怖くもなるだろう普通。入れられたら本当に壊れる、もう普通の大きさでは満足できない体になってしまう。わかってんだよ俺がエロいなんて、でもだからこそこれ以上エロい身体になりたく無い。 何よりこれを入れられる妄想だけで何度も甘イキしてしまう自分が恐ろしい。ビクビクしてるのがバレなきゃいいけど……そんな隠し事これから起こる事を考えれば意味のない話だが、これはもうプライドの、残り少ない意地の話だ。 「震えてる……大丈夫だから。やった事ないけど、頑張って気持ち良くしてみせる」 どうやら俺のビクビクを恐怖からくる震えと判断したらしい、そっと抱きしめてくれた。十分に嬉しい、欲を言えば尻にそれがあてがわれているのがちょっと不安だった。まさかふじやんはこの凶器を本当に胎の中にぶち込む気かよ……! 「い、いやだ……怖い怖い!」 「っ……ごめんな梓。俺にはこうする事でしかお前を《《救えない》》!」 さっきから思ってたけど救うとかお前のためとかってなんなんだよ! そう聞くよりもふじやんの動きの方が早かった。使い回された俺の穴がググっと音を立てて広がって行く。頭がドーパミンでグズグズになってるせいか痛みなはい。 そのかわり俺の脳内を支配してるのは、ある種の楽しみという感情だった。こんなぶっといので前立腺ガンガン突かれると、もっと奥の結腸? 疲れるとどうなってしまうのだろう。そんなことされたら……もし最高に気持ちいいのを味わってしまったら……♡ 「怖いよ……早く気持ちよくしてよぉ♡」 「あ、ああ。わかった、努力する。……梓、愛してるよ」 そっと頬にされたキスは優しくて、優しくて。こんな状況だというのにふじやんはやっぱり紳士だな、そんなふうに思ってしまう。俺の身体はすでに目の前の相手を認めている、欲望と心のままに、足と腕をふじやんの身体に絡ませた。

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