113 / 206
第113話 二輪は早すぎる
腰をガッツリと掴まれて、俺よりも小さいならだとは思えないぐらいの馬鹿力で、ズドンと下に降ろされた。降ろされた先には明の平均的とは言え俺がイくには容易すぎるチンコが、突き刺さるように俺の穴にねじ込んできた。痛覚が仁に奪われたきり帰ってくる気配がない、ただ気持ちいいと思うだけだった。
前立腺は勿論だけど、それ以外のところも気持ちいいような気がする。俺が知らないだけで浅いところに違う性感帯があるのだろうか。明のチンコでは結腸に触るぐらいが精一杯だが、今までのが巨根過ぎただけだと思う。これが普通の大きさなんだ、それでも勝てていない情け無いチンコが俺なのだけれど。
それでも、奥が恋しい。
「い、イイ……もっど、おぐにきてぇ……」
「え? 俺こう見えて自分のは平均サイズだと思ってるんだけど、梓はこれじゃあ物足りないのか?」
「だろうな、多分初めてがオレだったせいかもしれない。もう普通サイズじゃあ満足出来ねえみたいだな」
背後から手を伸ばして、余裕そうにオレの乳首で遊んでいる仁。表情は知らないけど多分勝ち誇った顔してる。明の顔に書いてある、「テメェのチンコじゃあ梓は満足しねぇんだよざまあみろやと言った真田の顔がムカつく」と一目見ただけでわかる。
「……別に自分より体格が一回り上の野郎に大きさで勝とうなんざ思わねえけどよ。結局気持ちよくすればチャラになる」
「どうやるんだ?」
「やってみたいことはあるにはあるんだけどさ……真田の力を借りないと難しい」
「よし乗った。何すりゃいいんだ?」
こんな時に限って意気投合している2人はそろそろ天の力的なやつで罰せられるべきだと思う。異世界なんだからそれぐらいのことあってもいいだろう、頼むよ神様。俺を捕食対象として見るような明に恐れを抱いたが、例によって逃げ道は遮断されておりマシな行動をとってもらうことを祈るしかやる事はなかった。男にチンコぶっ刺してる奴がウキウキしている時は死を覚悟するべしと、この短期間で出来上がりつつある教訓は、ここで完成されることとなった。
掴まれた腰が、急に上にあがっていく。明の決して筋肉が多いとは言えない細腕によって俺の身体はどんどん持ち上げられる。ピストンならもうやられ慣れてるからどんと来いと言うのが本音だが何かがおかしい、ピストンするにはあまりにも動きが慎重すぎて心配になってしまう。これから何されるかわからない状況だってのにもどかしいような、変な気分を呑気に抱いていた。
「真田、お前のはまだ勃起してんだろ? 入れろ、俗に言う二輪って奴をやってみたい」
「……え?」
あまりの展開に俺は勿論のこと仁ですらもあっけに取られたような顔をしている。俺に関しては言葉を失っているのだが、まだ仁は余裕があるように聞き返していた。仁なら言ってくれるはずだ、梓はまだ二輪とかした事がないからやめてくれと言ってくれるはずだ。
「わかった、俺もやってみたい」
「ん?」
「いいのか? お前の大事な恋人だろ?」
「勿論そうだ。でも、どうせ童貞の梅雨じゃたかが知れてる。それに梓ならどんな攻め方しても可愛いから多分いけるだろ」
「ちょっと」
「そうか、じゃあお前は背後から入れてくれよ。慣らしながらゆっくりな」
「オレに命令してんじゃねえ」
俺の静止をよそに、2人の話はもう完結してしまったらしい。本当に童貞なのかと疑ってしまうほどの判断力というか勇気を兼ね備えている明と、それにホイホイ乗っかっていく仁は嫌な意味で相性がいいのだろうな。これから俺は地獄を見るのだけど、それを止められるのは今しかない。この2人が無言になっている時しかないのだ。
「まてまて、その、お慈悲を! 二輪はあれだろ、痛いに決まってんだろ!」
「大丈夫だ。ケツはちゃんと慣らしてくれるから、仁が」
「そうそう、それにそれが原因で裂けたりしないと思うし痔になったら俺たちの方から錦織達に報告しとく」
信頼性がゴミにも限度があるだろ。肝心なとこは他人任せと、なるようになるみたいな事を行動で示している、そんな2人組を信頼しろだなんて詐欺師でもそんな無茶振りしないだろう。否詐欺師の方がもっと上手くやるに決まってる、それぐらいに2人への信頼度が地に落ちていた。
「切れ痔になったらマジに末代まで呪ってやるからな」
「そしたらオレと梓の子供が呪われるぜ」
「何ふざけたことほざいてんだ」
なんの前触れもなく急に喧嘩が巻き起こるのは別に構わない、ただ二輪はやめてほしいそれだけなんだ。しかしそれは無視されていく、ただただ不安だった。身体中から嫌な汗をかいているのがきっと2人にも伝わったと思う。でも辞めることはなかった、仁のがゆっくりと入って、入ってきた。
ともだちにシェアしよう!