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第114話 錯覚なのか

「うぅ……い、ぐぅぁ!」 最初はするりと、あれ思ってた割にはいけるかもと思ったのだけど、次に来たのは痛みだった。2人も上手く入るようにと体勢を工夫してくれているようだけど、それでも辛いものは辛い。無理矢理やったら入りそうな感じはあるけどそんな事しようものなら死んでしまう、具体的には俺のケツが。使い物にならなくなるとすら思ってしまった。 しかし2人はめげない。俺の静止の声を受けたとしても、心折れることは決してなくなんとかして入れようと模索していた。俺のケツも悲鳴をあげながらも、2人の意思に報いようとなんとか穴を広げようと懸命に努力をしている。 「おら半分入ったぞ、あとちょっとだからな」 「んぅ、う、うそ……」 「嘘じゃねえよ。見てみろ梓の中にオレのがしっかり入ってるだろ?」 地獄だと思って耐え忍んでいるだけだったのに、身体は早くも適応し始めたようで、半分を加えていた。先に全部入った明のたすと、1.5人分をすでに受け入れているということになる。事実だとは思いたくない、むしろそんなわけはないという願望を最後の砦にしていたが、下を向いた時に見えた現実によってその防壁も崩壊してしまった。 俺の身体凄すぎる。名器だとは思い始めていたけど、俺の予想を超える事を俺自身がしている。そんなにしなくていいよどうせ調子に乗られるだけなんだからと頭で訴えるが、今でも着実に2人のチンコを受け入れ始めている。 「おい真田、お前のデカすぎだよ。梓が死にそうになってんじゃねえか、俺も場所取られて辛い」 「オマエの粗チンとは次元がちげえからな」 「お前のがアフリカ人サイズなだけで俺は平均だ」 やめろデカイデカイ言うな。こちとら痛みが出ないように必死こいて意識しないようにしてんだから。それに仁の中では平均サイズである明が粗チンなんだったら、その体で行けばそれより小さい俺のって仁にどう思われてんだろ。子供サイズ? 無いも同然? どっちにしてもあまり考えたくは無いものだ。 自分で意識しないと言っておきながら、ちゃっかり考えてしまっている俺は将来何かしらで自分のせいで苦労するタイプだろう。今でもそれなりに苦労はしてるつもりだけど、これに関しては悪運の強さと外部からの圧力によるものだ、俺は悪く無い。 「ギィ……無理、むりぃ、じん助けて……」 「ごめんな、すぐに気持ちよくなれるように頑張るよ。真田のチンコデカイのは我慢してくれ」 「うるせー。……ほら梓後ろ向け、チュー」 少しだけ後ろを向いたのを見逃す事なく、強引に唇を奪ってきた。酸欠になる……事はなく、今まで1人で戦ってきた俺としては優しすぎる刺激だった。結構キツめの責めが好きなはずなのに、ちゃんとこういう時には優しくなるのは無自覚なのか、それともちゃんと弁えているのか、責め上手という奴だな。 優しい感覚が嬉しくて、我を忘れてこの状況を無視して身を任せてしまった。空気を読んでいるのか、仁もそれに関しては何も言われる事はなく、前方にいる明も後ろから俺を抱きしめるだけに終わる。そんな事をされたら勘違いしてしまう、散々迷惑かけてる俺が愛されているなんて、烏滸がましい事を錯覚してしまう。 「ん……梓キスが上手くなったな、頑張って教えた甲斐があったぜ」 「かわいい、すごいかわいい」 愛してる。まるで2人ともそう言いたいように俺のことを褒め倒して、可愛がってくれる。でも身体に残った最後に入ってる力が抜け落ちたようで、最後の一息は割とすんなり行けた。これで2本入ったことになるのだが……痛くない。俺は俺のケツの包容力を甘く見て新しい。まるで自身に牙がある事を知らなかった狼のように、翼がある事を初めて知った鷹のような、そんな強いけど性格が間抜けな動物の気分を味わった。 「はいったぁ……」 「お疲れ、俺のわがままに付き合わさせて悪かったな」 「おい何終わった気になってんだ、本番はこれからだろうが」 ヤバい、頭に思い浮かんだ言葉はこれだけだった。死ぬほどの刺激を覚悟していたのだが、次に始まったのはゆっくりな抜き差しだった。2人同時だったから変な感覚に一瞬だけ戸惑ったが、まるでそうケツを慣らすような動きに胸を撫で下ろした、これで延命治療ができたようだ、ケツが死ぬ運命は変わらないけど。だってもう俺はこの状況で明日の腰痛を覚悟してるからな。 でも俺は嬉しくなってしまう。事実無根なんて事は承知の上だが、今だけはこの錯覚を味わっていたかった。それは痛みすらも嬉しくなるぐらい幸せな事だったから。 俺は、2人にちゃんと愛されている。

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