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第128話 仁も一緒に

俺に纏わりつく触手を切る前に、飛びすぎたのか俺を雨風から守っていたクラゲのような幕の上によじ登った。そうだよな、何も考えずに触手を切ろうとするほど後先考えてない事はない……よな? 「オレは雷が嫌いだからさっさと助けて引きこもりたい、だからくたばれ!」 「本音やめろ」 「そなんなら名乗る前に切ればよかったのにね。オマエひょっとして馬鹿だな?」 「違う! まずは名乗るのが礼儀だと思ったんだ、俺は警察官目指してるからな」 「……はぁ?」 敵の前でそんな弱点にもならないようないらん情報を提供するんじゃあない。それに度重なる変な報告で忘れてしまうところだった、なに自分を彼氏から婚約者に格上げしてんだ、結婚が嫌なわけではないけども。最低限許可を取るべきだろう。 「けいさつかん? ってなに?」 「え? うーん……ポリスって言ったらわかるか」 「魔物にそんな人間の知識を押し付けないでよ。それに、キミが馬鹿だってのはちゃんと証明されたしね」 「ん、何でだよ、どーいうことだよ?」 何を言っているのかわからない。焦った様子を隠しきれない仁には悪いが、俺は奴の言葉の意図がわかってしまった。質問をして気を紛らわす時に、身体に触手を回されていた。猿にでもわかる簡単な事だ、咄嗟に声を出そうと口を開けたが、器用な触手によって口を塞がれてしまった。 あーうーと叫ぶ俺を見てようやく事の重大さを察したのか、あたりを警戒したが時すでにもう遅い。足から絡みつかれたら後はもう身体全体を絡め取られるだけとなる。 「な、お前なにしやがる!」 「最初は絞め殺す気だったけど、婚約者って聞いて気が変わった。オマエもサービスで気持ち良くしてやるよ。せいぜい大好きな人の前で射精する事だ」 「や、やめろ!」 脊髄からやめてくれと声が出た。大好きな仁がこんな目にあうのなら、俺がその分の苦痛も羞恥も味わう。そんな飾ったセリフが咄嗟に出てくるほど必死な叫びだった。仁はと言うと呆気に捉えたような、まさか自分までそんな目に遭おうとはと言った顔であり、全くと言っていいほど要領を得ていない。うんその気持ちめっちゃわかる、俺が初めて踊り子になった時も発情体質が発覚した時もそんな顔してた自信あるもん。 「なに油断してんの? もちろんだけど梓もこのまま気持ち良くなってもらうよ。そうだな、可愛くイけたらその婚約者くんもペットとして飼う許可をあげよう」 「わぁっやめろ、ふぁ、うぅ……いらない、そんな約束、必要なぃ、あう♡」 「強情だねー気持ちいいって素直に感じればいいのにね。婚約者くんも喜ぶんじゃないのかな? あ、それとも自分以外の誰かに気持ち良くされるのは気に食わない?」 「そ、そんな事はどうだっていいんだよ、梓を離しやがれ!」 「……独占欲の鬼みたいに見えたけど、意外とそうでもないね。これも愛って奴なのかな」 「いや、もう3Pとかもしたし」 「えぇ〜……」 そんないらんこと喋ってるところ申し訳ないが、かなりキツイ。乳首とチンコのありきたりな責めでは根をあげないと思ったのか、遂に秘所に触れられた。すっかり縦に割れて男を受け入れるように魔改造されたアナルは、最初こそはチンコでも指でもない未知の生命体に恐れをなして、きつくきつく締め付けていた。 しかし触手に絡まれている粘液はローションの役割も果たしているようで、開発されきったアナルの締め付けなんて焼け石に水と言わんばかりに、胎内に侵入を開始した。初めての触手で本能的な恐怖に抗えず、初めてポロポロと涙が出てきた。 「い、イヤだ……たすけ、無理、ムリ……」 「やっと素直になったね。大丈夫、ちゃんと気持ち良くするから。僕の責めで気持ち良くなる権利をあげる、まずは前立腺だっけ? とにかくを探さないとね」 「や、やめろ……」 仁が俺を真っ直ぐに見ている。たまに罪悪感からか、目を逸らすような、泳いでいるような動作を見せることもあるけど、最終的にはやっぱり俺へ行き着くことになる。 「くぅあ、まって、そこはぁ……」 ここが前立腺かと勝ち誇った笑みで重点的に責めてきた。触手だからこそできる、無遠慮な高速ピストンに耐えられるわけもなく、どうしようもないような溶ける声が喉から飛び出す。敗北を噛み締める間もなく、間髪入れずに2本目が挿入される。2本の交互の責めは二輪経験者の俺でも根を上げるほどの苦痛だった。 「気持ち、よくないぃ……いやだぁ」 「そんなこと言ったって、大事な婚約者は勃起してるみたいだよ」 「……え?」 「ご、ごめん。梓、やっぱエロくて……」 快楽で朦朧とする中で、仁を見た。そのチンコは確かに大きくそそり立って、触手によって上下に扱われている。ああ、やっぱり興奮しててもかっこいいな…… 「やっぱオマエら馬鹿ップルなんだろうね。ジリジリに引き裂いてやりたい」 外野なイカ野郎が、ふとそう言った。

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