129 / 206
第129話 絶体絶命
コイツ最初は歳の割にはおませさんなドSだと思ってた。自分ではガキには温情だと思ってるし子供も好きだ、プロポーズを振って敗北感を与えてやるだけにしようと待ってた。でもそれは誤りだったようだ。
イカ野郎は多分、自分以外の全てが気に食わないんだろう。楯突かれたり口答えをされるのは勿論、自分の許可なく行動を起こさせるのも自分以外の誰かの言う事を聞くことも、ひょっとしたら何もかも思い通りにいかないと癇癪を起こすタイプと見たぜ。厄介にも限度があるだろう。
「せっかくだから、婚約者くんも調教してあげないとね。僕に歯向かうなんて烏滸がましいとわからせてあげないと」
「ま、まて! 梓を解放するのが先だ!」
「五月蝿い、そんな約束はしてない。第一いつ喋っていいって許可出した?」
「そんなんどうでも良いッむぐ!?」
後ろから回り込まれた触手で、仁の口が塞がれた。鼻は押さえられてないから酸欠の心配はないようだ、でも事はそんな問題じゃあない。お願いだから仁に手を出すのはやめてほしい、馬鹿になった頭でもそれに関しては本当にダメだと警報を鳴らし、脳内中が真っ赤に染まっている。
仁に手を出すならその分の責めを俺に受けさせろ、そう思ってしまうほどに必死だった。まあコイツがそんな事を聞くとは思えないから、もっと別の方法はないかと切断され尽くした頭脳回路を必死に紡いでいる。気持ちよさそうな顔かと思いきや、嫌そうな顔をしたり焦った表情も見せる、そんな百面相の俺はみていてさぞ楽しいのだろう。ニヤニヤしながら近づいてくるイカ野郎を睨みつけた。
「そんな顔したいでよ。心配しなくてもちゃんと触手達が気持ち良くしてくれるから。今だけはその婚約者くんの大きなマラでガンガン突かれる妄想を許可する」
「ま、まて! 本当に仁だけは……んン♡ や、やめて、まてよ……」
「やっぱり梓は可愛いね、無理矢理強気っぽく喋ってもボロが出てるよ? まあそれが良いところなんだろうね。僕は好きだな、その性格でいていいよ」
他人の性格に色々口出してんじゃねえと言いたいが、今の精神状況ではやめてと連呼するだけで精一杯だった。時々媚びた歓声が湧き出てしまうのは許して欲しい、気持ちいいんだから仕方がない。ってか本当に触手が気持ちいいってエロ同人とかでよくあるけどアレはマジなんだな。人間のチンコじゃ無い分無理矢理感は否めないが、次にお尋ねるのは快楽、そしてそのさらに次に訪れるのは快楽だ。
「ぐ、ぅ……何勝手にヒトのチンコの触っとんじゃいボケ!」
「そんなに言わないの、梓は気持ちよさそうだからオマエもさっさと射精しようね」
「ぎゃ!? そんな気持ち悪りぃ触手で何しようが、イけねぇよ……」
「強情なのはどっちも一緒だね。まあ色気は断然梓の方がすごいけど、なんだよぎゃって」
遂に一本の触手が、それよりも大きな仁のデカマラを扱い始めた。ヌメヌメしたそれに好き勝手されるのはなかなかの苦痛だ、だから今まで見た事ないような顔してても、それは仕方がない事だと思う。気持ちいいんだろうか……俺がそのデカマラで突かれる妄想してるみたいに、仁も俺のエロいとこ考えてくれてんのかな。
最初は仁のチンコで堕ちたんだよな。おかげさまで俺は、あんだけ拒否してたのにすっかり淫乱体質なのだ。仁が凄いのか俺が快楽に従順過ぎるのか。でもハッキリ言えるのは、仁に突かれる妄想をしながら受ける触手プレイは最高だと言うことだけ。大きなチンコでいつもみたいに屈服する自分を想像したら、それだけで感度が上がる気がして。
「うぅ、にゃ、イ、イぐぅ……イきたい、じん一杯出して……」
「ちょ、梓、しっかりしろ!」
「触手は嫌がるくせにそのキモいぐらいデカイチンコは好きなんだね。恋は盲目ってのは本当のようだ」
予期せぬ仁への責めによって、すっかり弱気になってしまった俺は、気が付けは何処の馬の骨ともわからぬ触手に更なる凌辱を要求していた。触手は仁よりも細いとはいえ、長さは桁違いだ。何食わぬ顔で結腸にどうもこんにちはと挨拶をして、怖がる俺の媚肉にディープキスをかましてきやがる。それがたまらなく気持ちよくて、仁の名前を譫語のように呼び続けるだけの存在となってしまった。
「あう、仁、じん♡……俺もう無理ぃ、出して欲しい、中に熱いの、きもちよくして……」
「あ、あずさ……」
そんな俺を見て興奮してくれてるのか、大きく見開いたその目のように、チンコも未だかつてないぐらいに勃起していた。やばい、このままでは負けてしまう、色んな意味で。そう思った時だった。
ともだちにシェアしよう!