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第198話 浮気の罰

目が笑ってねえ。声色は優しいし笑ってる感じあるんだけど目が笑ってねえ。しかし軽蔑の視線は一切として感じず、なんか嬉しそうに俺の方に近寄ってくる。正しくはじりじりとにじり寄るが正しいが、今はそんなことでいちいち反応できるほど余裕がない。 「チンコ気持ちいいか? 浮気大好きなんだから、何度でも一から調教できるな!」 「いや、その……お命だけは」 「僕はどうすれば……」 幾度の嫁の浮気を耐え抜いてきた仁は面構えが違う、むしろこれからするつもりらしいお仕置きセックス的なものを楽しみにしているようだ。ケツがガバガバ過ぎて同じ過ちを繰り返す(そして毎度毎度お仕置きされてる)俺と馬乗りになられているせいでうんともすんとも動けない喜助。 と、兎に角まずは喜助のチンコ抜かないと。あー……でもまだ一滴も出してもらってないよな、そんな事考えてんじゃあねえよと心の中でツッコミを入れるが、もう1人の自分が勿体無いと訴えている。 「なんだ、委員長が案外遅漏で1発ももらえなかったんか。梓の腰使いに耐えるとかえげつねえな」 「なんでそれ知ってんだ!」 「だって梓って1発目さっさと射精してあげないと泣きそうな顔するもんな」 それは知らない、初耳だ。俺は限りなくメス堕ちしていると認めているが俺が想定している以上なのではと考えてしまう。……兎に角勿体ないとかお尻が寂しいとかほざきやがる心の声を鎮めて喜助のチンコを抜こうと試みた前立腺を抉るように抜ける時は、そこの気持ちよさに排泄的な快感が加わって嬌声が喉から溢れ出る、思わず泣こうとする腰を止めてしまった。 「お″、おぅぅ……ごめんな、喜助、ごめんなさい……」 「大丈夫、だ……よかった、いつもの天使に戻ったんだな」 罪悪感で押し潰されそうなところを狙いすましたかのような死体蹴り、鮮やかだけど心が痛い。その笑顔が何より辛い、まだ俺のことを天使と呼ぶのか、もう汚れてしまったというか俺がお前汚してしまったのに、前世が仏なのか来世が仏になる予定なのかどちらかを疑ってしまう。 「……何見つめあってんだ」 仁が待ったをかけてくる。不幸中の幸いか相手が喜助だからか荒っぽく出られないようで、未だに何も問題を起こしていない。多分薫とかだったら有無を言わせず叩き斬られてた、いいや今の警察官目指してる仁なら多分何もしないだろう、多分。 「……どうせならここでやるか」 急に覚悟決めた仁が俺の後ろに立つ、喜助のチンコが半分ぐらい入った俺の後ろに。嫌な予感しかしないけどまだ対話を試みる、今なにかされたらシンプルにやばい。さっきよりもっと狂ってしまう気がする。 「何する気だよ……?」 「ここで一緒に3Pしたらお仕置きになるだろうと思って、素人委員長に俺のテクを見せつければ敗北感ってのが植えつくからな。ほら喜べお前の大好きな3Pだぞ」 凍りついた。3Pといえば俺の中でも有数の大惨事、身体中ドロドロにされて快楽を徹底的に叩き込まれた。奇しくもその時と同じくもう1人が童貞であることという共通点があるもののこの際どうでもよい話だ。いや、あんな気持ちよ過ぎて頭がおかしくなる経験は2度としたくない。しかも今俺は散々焦らされた挙句中イキを一度もしていない、こんな中で2輪責めなんて死んでしまう。 おぼつかない手で必死に抵抗する。しかし流石は近距離の職業だ占星術師とは訳が違う、澄ました顔して整った和服からチンコを取り出す手は止められないし、たくましい胸板を拒絶するようにポカポカと叩いていた手は簡単に拘束されてしまった。背後からでもわかるかの大きなチンコ、デカすぎる、なんでもう勃起してんだよ…… 「言っとくけど俺は寝取られに興味はないからな。何というか……寝取られそうになった時にお仕置きするのが好き」 「へ、変態だ……」 「うっせー誰のせいだと思ってんだ。委員長もドン引きしてんじゃねえ」 なんか仁の変な性癖の扉を開けてしまったんじゃあないのかと不安がよぎる。下を見れば喜助も信じられないものを見ているような目だ。その大きな勃起チンコが、もう喜助のが入っているそこにあてがわれる。怖い、こわいこわい、ごめんなさい、許して…… 「そんなに嫌そうな顔すんな……大丈夫だから、ちゃんと梓のこと愛してる。ここで壊れても一生大事にする、手握ってろ、辛くなったら噛んでもいいから」 そう言いながら腕を差し出してくる。その左腕を強く握った、離れないように、怖くないように。下にいる喜助が気まずそうな顔をしているのは気にはなったけどたいした問題じゃあない。ゆっくりゆっくりと、痛くないように、俺の浮気アナルに入ってきた。

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