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第18話

「今日の放課後、お前は何処に行っておったのじゃ?」 夜にリリアに聞かれて、僕はこう答えた。 「キングスカラーと戯れていた」 「なんと……。せっかくまた子供達に手紙を書こうと思い、お前を誘おうと探しておったというのに」 それは残念なことをしたと一瞬思ったが、キングスカラーとの戯れのほうが僕にとっては大事なことだったから、その後は何も言わなかった。 「おぬしはレオナに助けてもらうことが多いようだな」 キングスカラーが僕を助ける、だと? 「僕がいつあの者に助けられたというのだ」 「お前が酷く落ち込んでいるときに限って、レオナはおぬしにちょっかいを出してくる。その後おぬしの機嫌がよくなって帰ってくるだろう?助けられている他に何かあるのか、マレウス」 そうか……。 僕はキングスカラーに助けられていたのか。 「……ならば、やつを助けているのは僕だな」 「素直ではないぞ。認めぬかマレウス」 キングスカラーは僕が落ち込んでいるときに、大抵絡んくることが多かった。 それはやつの解りにくい優しさなのだろうと思うと、僕はなんて幸せな人間(妖精族)なのだろうと感じた。

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