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第19話

僕は次の日、キングスカラーよりも早く植物園の亜熱帯ゾーンにきて、待ち伏せた。 「なんでお前がここにいるんだ、マレウス……」 現れたやつは、どうやら本当に嫌がっているらしい。 「お前は僕を気にしてくれているであろう?ならば礼を言わねばならないと思ってな」 「……なんのことだ」 本当のキングスカラーは優しいのだろう、バツの悪そうな表情をしていた。 「お前は思ったよりも良いやつなのだな」 僕はそう言うと、キングスカラーは溜息を深く吐いてからこう言った。 「寂しいと思うのは、周りに人がいたからだろう。始めっから一人なら寂しいなんて思わねぇ。俺はそんなことに落ち込んてるオマエに勝っても嬉しくねぇんだよ、このクソトカゲ野郎」 あぁ、キングスカラー。 やっぱり僕はお前を誰より愛しいと感じる。 「来年卒業したあと、お前は茨の谷に来ないか」 「あぁ?!何言ってやがる、誰か好き好んでお前の実家に遊びに行かなきゃいけねぇんだよ」 僕はプロポーズのつもりだったのだが、キングスカラーには届いていないらしかった。 「……そうか」 「ああ、もうウゼェな!!……たまには行ってやるから、茶くらい出して歓迎しろよな」 「そうか。……そうだな」 これは少しは脈は有りそうだろうか?

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