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第34話

ラギーはそのままサバナクロー寮に戻り、レオナのこの一週間で散らかった部屋を片付け始めた。 あんなレオナの姿は見たくなかったラギーは考えながら手を動かした。 『おい、ラギー!!』と遠くから声がした。 きっとレオナはラギーが自室に戻ったと思って訪ねたのだろう。 今はレオナの前に現れるのが怖い、そう思ったラギーはレオナの部屋の広すぎるクローゼットに入り込んだ。 ここなら当分盲点で見つからないだろう、そう思ったのだ。 そしてラギーは座り込み、膝を抱えた。 「……なんでですか、レオナさん」 「それは身分と立場からだ」 クローゼットの前に誰かいる、ラギーは身を硬くした。

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