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第58話

「ボタンがないと思っていたら、指で触って画面を操作出来るようになっているのか」 「トカゲの皮膚でも反応すんのなぁ。初めて知った」 「今姿は人の子と同じだ。……反応しなかったらその携帯電話は壊れているっ」 「人の子と同じ?その割にはマラが凶悪過ぎるだろ、オマエのは」 「その僕のモノが好きなお前に言われたくはないぞ、キングスカラー」 会話しながらもマレウスはスマホの反応が面白いのか、触っていた。 「なんだ、これは」 「そりゃカメラだ。マジカメとかに投稿する写真をこれで撮ったりする機能だ。俺は殆ど使わないがな」 マレウスはスマホをレオナに向けて一枚画像を撮った。 「ほう……、これは面白い」 「何が面白い?ただのカメラだぞ」 「僕はカメラも持ってはいないからな。写真を初めて撮ったぞ」 マレウスは本当に面白いと思っているようで、温室の中を撮っていた。 「カメラを知らないって、どんな時代の生き物だ?」 「キングスカラー、笑ってみろ。僕が撮ってる」 「俺のスマホで俺を撮って誰が見て楽しむんだよ」 レオナはマレウスからスマホを取り上げた。 「それにしても携帯電話というものは写真も取れるのか」 「ある意味魔法より凄いかもな」 「触れるだけで素直に反応してくれる。まるでキングスカラーの身体のようだ」 「っ、……誰がオマエに素直な反応するか!!」 「キングスカラーの身体は素直だろう?僕が触れるだけで反応してくれる」 マレウスの片手がレオナの腰に周り、もう片手は胸を愛撫し始めた。 「止めろ。俺はスマホじゃねぇ」 「あぁ、お前はスマホではない。僕に反応してくれる愛しい獣人族……」 レオナはマレウスに口付けを求められると、『まぁ、いいか』という反応になってしまっていた。

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