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第108話 マレウス様の恋愛事情。

僕は恋というものに疎かった。 茨の谷にいた頃、僕の周りはいつも同じ顔ぶれだったから、他人に興味を持つことが少なかったからかもしれない。 僕の周りは、使用人数人、教育係のリリア、そしてたまに顔を見せに行くおばあさまが僕の世界だった。 妖精族とはいえ茨の谷の住人は人の子も多い。 使用人は人の子だったが、主人の孫である僕に興味を持つ者はいなかったし、言葉を交わすことも少なかった。 そんな中思春期も反抗期も無く育っていた、いや知らずにいた僕は子供らしくない子供時代を何年をも過ごした。

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