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第113話

それから約十年経った頃もまだ僕の情緒不安定は抜き取れず、公務に支障をきたすからということで、リリアと共にナイトレイブンカレッジに入学した。 その学園には様々な種族が別け隔てなく通う学び舎だと耳にした僕は、あの獣人族の童女のような獣人に会えるだろうかと半ば期待していた。 だが、僕の前に現れたのはあの童女とは違う愚かな仔猫(キングスカラー)だった。 それでも僕も愚か者だったらしく、その者に惹かれていき、僕の情緒不安定も取り除かれた。

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