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”
――どうしてだ。
蘭は、唖然として白柳を見上げた。顔にも身体にも、自信はある。セックスのテクニックにも、だ。なのに白柳は、満足していないというのか。一体、どうすれば……。
計画失敗だろうか、とうろたえていると、白柳は口をとがらせた。
「さっきから、何か別のことを考えているだろう? 集中していない」
「――! そんなことは……」
青ざめる蘭の頬を、白柳はなぜかそっと撫でた。
「だから、もっと乱れさせたくなった。この綺麗な顔が、我を忘れて蕩けるところをな……」
言うなり白柳は、蘭の脚をつかむと、肩に付くほど押し広げた。躰を大きく折り曲げられて、蘭は悲鳴を上げた。そんな蘭に構わず、白柳は激しく腰を打ちつけてくる。
「ああンッ……! あっ、ああっ……」
白柳は、入り口付近まで楔を引き抜いては、深々と突き入れる。この体勢だと、躰の奥の奥まで白柳を感じる気がして、蘭は空恐ろしくなった。
「あっ……、ああっ……、もっ……」
髪を振り乱して頭を振り、勘弁してくれと暗に訴える。だが白柳に、手加減する気配はなかった。それどころか、蘭の果実も握って、扱き立ててくる。
「――ああっ……!」
ひときわ強く抉られた瞬間、蘭は盛大に白濁をまき散らしていた。目尻に、涙がにじむ。快楽のためか悔しさのためかは、わからなかった。
「――はっ……、はぁっ……」
「満足したか?」
ずるりとものを引き抜きながら、白柳が言う。恍惚としかけながらも、蘭は慎重に次の台詞を口にした。
「ええ、とっても……。先生、この後ご予定はあります?」
ないのは、事前情報で知っている。蘭は、まだ精を放出していない白柳のそれに、そっと手を添えた。
「すごく素敵だったから……。だから、もう少し楽しませてほしいなって。僕、今夜、この近くに宿を取っているんです」
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