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 ――いつの間に、誰が……。  写真は、カフェの外から撮られていた。稲本が、蘭の咥えた煙草に火を点けてやっているものや、蘭の手に触れているものもあった。 「俺という番がありながら……」  陽介が、さらに一歩近づく。蘭は、もはや恐怖しか感じなかった。そっちだって、よその女に子供を産ませたくせに。そう言ってやりたいが、とても口にできなかった。 「あいつとは、そんなんじゃない! 煙草は、俺がライターを忘れたから点けてくれただけで……。手を握ってるのは、怪我を心配してだ。俺、料理中に指を切ったから……」 「でも、会っていたのは事実だろう。俺に黙って!」 「それは……」  「言ったはずだが。他の男と遊んだら、俺は何をするかわからん、と」  言うやいなや、陽介は蘭の腕をつかんだ。そのまま引っ張られ、個室へと連れ込まれる。静かなトイレルーム内に、陽介がカチャリと施錠する音が響いた。 「何すんだよ!」  蘭は、陽介を押しのけようともがいたが、体格の差は圧倒的だった。陽介が、低くつぶやく。 「君が誰のものなのか、わからせてやる」 「止めっ……」  抗議の声は、キスで塞がれた。噛みつかんばかりに荒々しく口づけながら、陽介は蘭をきつく抱きしめる。骨が折れそうなほどの力だった。 「んっ……、んんっ……」  陽介の手が、蘭のシャツのボタンにかかる。蘭はぎょっとした。 「陽介……! 嫌だ、こんな所で……」 「俺たちは番で、夫夫(ふうふ)だ。どこでしようが自由だろう」  あっという間に、素肌がさらされていく。首筋をきつく吸い上げられて、蘭は顔をしかめた。 「……ああ、不倫相手を待たせているんだったな。だから嫌なんだろう?」 「だから、違……」  否定しようとした瞬間、乱暴に歯を立てられた。思わず悲鳴を上げる蘭を見て、陽介は薄く笑った。 「好きな男が、すぐ近くにいる……。そんな状況で、犯してやろう」

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