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「君も脱いで? 綺麗な躰が、見たい」  陽介は、蘭の部屋着の上に手をかけ、脱がせようとする。だが蘭は、その手を振り払った。 「そんなのいいから……」  陽介は、それ以上何も言わなかった。おとなしくされるがままになっている陽介のスラックスを、下着を荒っぽく引きずり下ろす。蘭は、彼の欲望に手を添えた。そこはすでに、勢いよく隆起している。 「んっ……」  部屋着の下だけを脱ぐと、蘭は、それを自らの蕾にあてがった。とたんに陽介が、焦った表情を浮かべる。 「おい、待て……。慣らしもしないで……」 「いい!」  蘭は、いやいやをするように首を振った。早く陽介が欲しくて、たまらない。 「ダメだ! 前回だって、乱暴にしてしまったし……。傷つけでもしたら……」  陽介は、蘭を押しのけようとする。しかし、準備が整った蘭の秘孔は、分泌液の力を借りて、あっさりと陽介の雄を飲み込んだ。まるで、待ちかねていたかのようだった。 「突いて」  上体を倒し、唇が触れるか触れないかの距離で、陽介に囁く。陽介は、黙ってかぶりを振った。眉間には、きつくしわが寄っている。蘭の体を気遣って、動きたい欲求と必死に戦っているのだろう。 「なら、自分で動くね……」  まだ馴染んでいないのはわかっていたが、蘭は腰を揺らし始めた。少し痛い気もするが、気にせず動き続ける。陽介も、次第に我慢できなくなったのか、動きを合わせ始めた。 「悪かったな……」  ふと、陽介がつぶやく。 「ヒートなのに、一人で放っておいて。さぞ、辛かっただろう……」  蘭は、はっとした。陽介は、誤解している。蘭が単にヒートに駆られて、自分を求めていると思っているのだ。  ――違うのに。好きだから、なのに……。  自分は、陽介が好き。陽介も、同じ気持ちでいてくれる。それなのに、どうして気持ちが噛み合わないのだろう……。  ぽろり、と涙がこぼれた。

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