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 蘭は、即座に陽介に電話した。だが、相変わらずつながらない。かくなる上は、と蘭は古城に電話をかけた。アカウント更新の責任者であり、悠と通じている彼が、黒幕に決まっている。古城は、ワンコールで出た。 「おい、どういうことなんだ! あの発表は」  蘭は怒鳴った。 『仕方ないでしょう。苦肉の策ですよ。選挙前なんだから、あなたも理解してください。それでは』  古城はクールに言い放つと、早くも電話を切ろうとする。蘭は、食い下がった。 「でたらめ言うな! SNSには、コメントが付いてたぞ。悠が、普段から事務所に出入りしてるって。ずっと前から、悠に、妻のふりをさせようと計画してたんだろう。俺が事務所に行った時、スタッフに会わせなかったのは、そのせいだな? そして今回、悠にホテルの部屋情報を流し、出入りしてるとこを写真に撮って流したんだろう。あんたが悠と寝てるって、俺は知ってんだぞ!」 『誰だっていいんですよ、オメガなら』  古城は、静かに言った。 『今回の選挙の目玉は、オメガ保護。白柳陽介には、オメガの妻がいる、と宣伝する必要がありました。それなのに、あなたが協力を拒むからでしょう。だから、代役を立てざるを得なかったんだ』 「だからって……」

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