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「やぁっ……、ちょっと、待っ……」 「こっちは十分すぎるほど待った」  言うなり陽介は、乳首に吸い付いてくる。乱暴に歯を立てられて、蘭は軽く悲鳴を上げた。 「あっ……」  感じた疼痛は一瞬で、すぐに快感が全身に広がり始める。陽介は、せわしなく蘭の片脚を持ち上げると、蕾に指を()れてきた。ヒートでもないのに、そこはしっかり潤んでいた。このイレギュラーな状況に、蘭自身、興奮していたのだろう。陽介もそれを見抜いたらしく、くすりと笑った。 「濡れてるぞ……。それほどほぐさなくても、よさそうだな」 「んんっ……」  言葉通り陽介は、申し訳程度に慣らしただけで、指を引き抜いた。もう片方の脚も抱え上げられたかと思うと、熱い鋒が蕾にあてがわれる。 「しっかりつかまってろ」  壁に寄りかかった状態で、陽介の首に腕を回し、しがみつく。次の瞬間、下から深々と貫かれた。 「――あああっ……」  焦らしすぎたせいだろうか、陽介は余裕なく突き上げてくる。容赦なく責め立てられて、蘭は間断なく喘いだ。するとすかさず、口づけられる。快感は怖いくらい湧き上がってくるのに、行き場を塞がれたようだった。 「んっ……、んっ……」 「蘭、こっちを見て」  激しい口づけの合間に、陽介が囁く。どうにか目を開ければ、情欲に燃えた陽介の瞳が、視界に映った。 「……何で、あっ、目ぇ、開けんだよ……、んっ、キス、なら、逆だろ……」  質問には答えずに、陽介が再び唇を重ねてくる。見つめ合ったまま、ひとしきりキスを交わした後、陽介は微笑んだ。 「その瞳が見たかったんだ。キスしている時の、蕩けそうな瞳が……」 「悪趣味っ……、ん、ああっ……」  前触れもなく、抉るように突かれる。蘭はあっけなく、果てていた。 

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