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「陽介先生、ひどいじゃないですか!」
部屋に通すなり、悠は蘭を無視して、陽介に詰め寄った。
「自宅まで暴かれて、変な連中に押しかけられたんですよ? ここまで、変装して来たんです。あの動画、何とかしてください!」
「自分の要求を言う前に、まずは蘭に謝ったらどうだ?」
陽介は、にこりともせずに言った。
「君のしたことは、全て把握している。姑息な手段で俺たちの仲を裂こうとしたことも、蘭の仕事を妨害したことも……。大阪での一件は君の独断か? SNSへ投稿したのは自分ではない、と古城さんは言っているぞ?」
「そうですよ」
悠は、ふてくされたように認めた。
「古城さんからホテルの鍵をせしめて、睡眠薬入りの料理で俺が寝ている隙に、部屋に侵入したんだな?」
「そのとおりですよ! そして知り合いに写真を撮らせ、投稿しました! だって、いつまで経っても僕を妻だと発表してくれないから……。しびれを切らしたんですよ!」
開き直ったように、悠がわめく。
「蘭を装ったメッセ―ジは? トークアプリを乗っ取ったな?」
あの後蘭自身がアプリにログインしようとすると、パスワードが変更されていたのだ。蘭は、仕方なくアカウントを作り直した。
「蘭がわかりやすいパスワードにしてるから、悪いんでしょ」
あくまでも悠に、謝る気はないようだ。陽介が、ため息をつく。
「反省のかけらもないな……。最後に聞く。何でこんな真似をした?」
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