「あっ、あ゛っ！！　……先輩っ！！　今、イってるからぁ！　とま゛っ……って゛……っ！！　」 　アキラの体を押して離そうとするが、力の入らない両手ではびくともしない。 「カナト。気持ちいいよ、お前のナカ……」 　色に濡れたアキラの声にカナトの中がじくりと疼く。ゆっくりと突かれるたびに、腰に甘い痺れが広がる。 「あっ、先輩……、おなか、へんっ……！　……じくじく、するっ……なんとか……んっ！　してぇ……！　」 　カナトとしては事実を述べただけなのだが、アキラは動きを止め、大きいため息をつく。 「お前、それ、わかって言ってるのか……」 「え？　……んんっ」 　アキラはゆっくりと抜ける寸前まで腰を引く。抜けていく感触にカナトが小さく喘ぐ。 「なんで……やだ……先輩、抜かないで」 「……あんまり煽るなよ、ほら、なんとかしてやる」 ばちゅん……！！　ぐほっ……！ 　太くて硬いペニスが前立腺を潰しながら、一気に奥まで突き入れられる。 　その深い挿入に、散々入り口をノックしていた結腸が開き、侵入を受け入れる。 「……っん、入ったな」 　胎の奥で嵌った様な感覚とともに、快感の波が急激に押し寄せる。 「……な！！？　……あっ、あ、が、あ゛あ゛……！！」 　快感に翻弄されたカナトの口から獣のような喘ぎ声が上がり、体が大きく痙攣する。 　びちゃびちゃと粘度の薄い液体が噴き出し、カナトの腹部を滑り落ちてベッドを濡らす。 　見開いた大きな目からは大粒の涙がこぼれ落ちる。 　中が蠢き、絡みついて搾り取ろうとする動きに、アキラは眉根を寄せて、耐える。 「はは、また潮吹きか、カナト。すごい締め付けだな」 　蠢く中を割り開くように、勢いをつけて再び突き入れる。 　何度も突き入れると、そのたびにビクンとカナトの体が震えて、喘ぎ声が溢れ出す。 「……お゛、ごっ……！　あ゛っ……」 　半ば白目を剥き、だらしなく舌が垂れている。 　涙と鼻水と、唾液塗れの口元に、ヒクヒクと痙攣する体液と痣だらけの体。 　どうしようもなく無様な姿だが、アキラはより一層愛おしさを感じ、どうしようもないくらい興奮した。 　普段の、誰にも媚びないカナトが、アキラの与える快楽で、誰にも見せられないぐらい乱れ切っている。 　その事実がアキラの背を震わせる。 　すでに途切れ途切れの喘ぎ声しかこぼさないカナトの体をアキラは強く抱きしめる。 「……ああ、カナト。俺の、俺のものだ」 　カナトの首筋に舌を這わせ、興奮のままに思い切り歯を立てた。 「……いっ、い゛いぃ！！　」 　カナトの声と、口内に広がる血の味に、アキラは口元を吊り上げる。 「……カナト。起きてくれないか」 　耳元で囁くと、先程の痛みで現実に引き戻されたカナトはゆっくりとアキラを見る。 「……あ、痛っ……。せ、せんぱい……？　」 「もう、限界だ。お前をぐちゃぐちゃにしたい」 　いつになく必死なアキラを見て、カナトはアキラに向かって震える手を伸ばす。 アキラは拒む事なくカナトの腕に収まり、カナトを抱きしめる。カナトもアキラの首に腕を絡める。 閉じ込められているようで、閉じ込めているこの瞬間がカナトはとても好きだった。 別々の二人が混ざり合って一つになる。お互いの事しか目に映らない。