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第5話

永遠の命…死のない世界。 何年か生きてみて、不老と同時に、病もけがもない体になった事を知った。 そして、夕もまた呪いを受けた年から先には、何度死に別れを繰り返しても老いることは無く、ただある一定の年月が過ぎるとと突如、別れが訪れる。 それは本当に突然で、朝食を食べている途中だったり、眠っている間だったり、一番最悪なのは二人の甘い時間に突然に訪れる別れ。 ともかく、その時期が来ると夕も俺も毎日が最後の日のように過ごし、いつその時が来てもいいように準備だけはし続けていた。 そして、再びの出会いが訪れる。 夕はどこにどう生まれるかは分からない。 それでも、毎回男で、その顔も体も夕のまま、俺と会う前までの一定期間を生みの親の元で過ごすものの、時期が来るとその姿は神隠しのようにすっと消え、俺の前にその姿を現す。 それまでは一切思い出すことは無いが、俺にあった瞬間に夕は俺との事を全て思い出す。 そんな、毎回の事にもやはり別れはいつでも辛く、この呪われた身がこの先絶対に知る事のない辛い苦しみの中で夕はその命を天に昇らせていく。 「なぁ、天っていうのはどういう所なんだ?」 何度目かの再会の後、俺は好奇心から夕に聞いたことがあった。 すると夕はしばらく考えた後、わからないんだと答えた。 「でも、何回も天に昇っているんだから、少しくらいは覚えていないのか?」 「そうなんだよね。天に昇ると、こうだったって思い出す感覚は今も残っているんだけど、どう言う場所とかどう言う状況とかは全く一切覚えていないんだ。ここに来る前とここに来た後の僕の感じと同じようにね。宵の顔を見た瞬間、その全てを思い出すんだけど、それまでは呪いの事も宵の事も、その関わる全てのことを全く覚えていないんだ。本当にいきなりブワッと全ての記憶が蘇るんだよね。」 「俺の事を覚えていないって聞くのは、分かっていてもやっぱり辛いな。」 ベッドの中、裸の夕の体を後ろから抱きしめる。 「俺はさ、お前が天に昇るとしばらくはこのベッドで一人、お前の残り香と残像を抱いて眠る日々を過ごすんだ。もう、こうやって数百年生きていても、お前を待つあの時間を耐える日々の長さは呪いのかかる前と同じ、いやそれ以上に長く感じられて、逆にお前が戻って来てからの時間はまるでほんの数分のように感じて、こうやって毎日毎日お前の体温と息遣いを感じられるこの日々が永遠に続けばいいのにと願い、お前を送るたびにその苦しさに自分んでこの命を散らしたくなるよ。」 そう言って夕の腰に俺の腰をググッと密着させる。 「んっ…ダメだよ、宵。僕は天に昇り、そしてまた宵の元に戻って来る呪いをかけられているんだ。その戻る場所がなくなったら、僕は一体どうなってしまうの?」 夕の言葉にそうだよなと頷くと、その体を俺の方に向けた。 すでにそそり立った俺の下半身が夕の腹を擦る。 「もう!少しは休ませてよ…宵。」 そっと俺の頬に触れる手をぐっと掴むと、ベッドに押し付けて馬乗りになった。 ぺろっと首筋を舐めると、びくんと夕の体が反応する。 足の間に手を入れて先ほどまで俺を受け入れていた穴の縁に指を這わせる。 「はぁあん!だめっ!待ってってぇ…ん…ぁあっ!」 「ダメって言うわりには、俺の指を奥深くに飲み込んでいくし、こんなんじゃ物足りないって、もっとよこせって言ってるみたいにひくついてるけど…どうしてもってお前が言うなら、止めようか?」 そう言いながらも、止める気のない俺の指は夕の中に本数を増やしつつ、その奥深くまで浸食していく。 「宵の…意地…わる。もう、むりぃ。おねが…い、ちょうだい?」 俺の首に腕を回してねだる優の唇に自分の唇を押しつけると、その身体を押し開いた。

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