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第11話
「っよ!」
「これ…です。今代に…って、宵は…モノだ。」
「ふざけるなっ!!」
夕の大声で俺の頭が覚醒した。
「夕!」
名前を呼び、夕のそばに行こうと起こそうとした身体が、ぐいっとベッドに引っ張り戻された。
何?
と、自分の両手を見るとロープでベッドに括り付けられ、固定されているのが見えた。
頭を起こして下半身を見ると何もかかっていない自分の体と腹にかかった白濁の液体だった乾いたモノ。そして両手と同様に括り付けられた両足が見えた。
「ゆきぃっ!!」
扉の外に向かってこれらの事をやったと確信する名前を大声で呼びつけるとパタパタと足音がしてバタンと扉が開いた。しかし、そこにいたのは呼びつけたやつではなかった。
「宵っ!」
自分を呼ぶ愛しく懐かしい声に鼓動が高鳴る。夕の顔が見え、嬉しさと同時に自分を見つめている蔑むような視線を感じた。
こんな恥ずかしい格好で夕の眼前に晒されてると思うだけで…
「夕様に恥ずかしい姿を見られて勃っちゃうなんて…宵も大概だよねぇ?」
俺の心の声が聞こえているかのように雪がふふふと笑いながら扉の前に立った。
その言う通り、ふるふると勃ち上がりかけた俺の下半身を夕の目から隠すこともできず、それでも少しでも隠したくて、無駄だと分かっていながら身を捩る。
扉の真ん中で呆然と立つ夕の肩を掴みどかして雪が部屋に入って来ようとした。
「来る…な…雪…来ないで…くれ…」
その願いが聞き入れられられないと分かっていながらも乞わずにはいられず、何度も口に出す。
それでも雪の足は止まることなく歩き続け、ベッドの端にぎしっと音を立てて座った。
その音と、雪の体重によって沈み込む俺の身体。手が伸びて、雪が俺の腹の乾いた白い物を爪でカリカリと剥がし出した。
「ゆ…き…?」
俺の声が聞こえていないかのように雪が扉の前で立ち尽くしたままでいる夕に語りかけた。
「夕様、宵の心はいつでもあんたのものだ。それがたとえ呪いのせいによる勘違いだとしても。でも今代の宵の時間と身体は全て俺がもらった。それは宵も合意の事。あんたには他に家を建てた。そこに自分の気に入ったやつを住まわせてもいいし何をしてもいい。金も何もかも使いたいだけ使ってくれて構わない。ただし、オレの命が無くなるまではこの家に近付くな!それをしたら、俺はあんたを今代の一生、とじこめておかなければいけなくなるだろう。」
「雪!俺は夕といたいんだ!離れ離れになるなんて聞いていない!!」
大声で抗議する俺の腹が熱い痛みを感じてキュッと腰が引けた。
「ああ、ちょっと爪を立たせすぎたかな?それとも力を入れすぎたか…ところで、宵は俺に何か言いたいことがある?」
微笑んだ雪の爪に赤黒い色が見え、俺はブンブンと首を振って口をつぐんだ。
雪の目が細くなり、口が俺の腹に近付くと、熱い部分にピリッとした痛みを感じて体がビクンと飛び上がる。
そんな事をされているのに、下半身は先ほどよりも硬くそそり立ち、もっと強い刺激を求めるように腰が動き出す。
「まあ、俺が開発した宵のこのような身体、夕様で満足できるか、させられるかは甚だ疑問ですけどね。」
そう言ってにまぁと笑うと、俺の先っぽを指でぐりぐりと刺激しながら、舌で腹についた傷口を抉る。
痛みと快感に、夕の俺を蔑む視線が合わさり、俺は声を上げて雪を求め、夕の名を呼びながら果て、再び意識を手放した。
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