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第16話

「あっ!はぁ…ぁあっ!」 自分の出した甘い声に驚いて目を開ける。 カーテンの引かれた薄暗い部屋の中、扉を背にして立つ夕の姿が見えた。 夕 名前を呼ぼうとした口が、無意識に甘く切ない声を出した。 「はぁああん!」 気が付くと、動かせないように縛り括り付けられた手足。そして身体を這いずり回る手と舌の感触。 明らかに雪とは違う愛撫に身体を捩る。そしてジュブジュブといやらしい音を立てて、俺のモノが他人の口の中で吸われている抗えない快感。 覚醒したばかりの頭では、そのわけのわからない状況を理解する事も快楽に溺れていく身体を理性でもって抑える事も出来はしなかった。そうして理性から解放された身体は快楽を全て受け入れると、それまでの積み重なった疼きを解き放つように全身がビクビクと痙攣し、つま先をピンと伸ばしながら、絶叫しつつ果てた。 肩で息をしながら、こちらに向かって来る夕をきっと睨む。 俺の体を弄っていた手や口が離れ、夕が俺を見下ろす。 「宵ってば、本当にされる側になっちゃったんだ?あいつが…雪が宵をこんな風にしちゃったんでしょ?あの時はまだ何も分からなかったけど、あれから色々と調べて雪の事が色々と分かったんだ。この人達は僕の為に色々としてくれたんだよ。雪が誰といても何を使ってもいいって言ったから、色々とさせてもらっちゃった。僕が自分の事を暴くなんて思いもよらなかったんだろうね…雪は僕の事をみくびりすぎだよ…ふふふ、この人達はね、僕の代わりになんでもしてくれるんだ。今も、僕の代わりに宵を愛してくれた…さぁ、みんな、僕に宵を頂戴…」 そう言って俺の横に寝転がった夕に男達が覆い被さり、俺にしたように夕の身体を貪りだした。夕があられなく甘い声でよがり俺の名を呼ぶ。 夕がうつ伏せになり腰を上げると、俺のをしゃぶっていた男がその双丘を両手で揉みしだきながら顔を近付けて口に含んだままでいた俺の体液を夕の中に流し入れた。 「宵の濃いやつ、久しぶりの宵のあったかいのがお腹の中でグジュグジュ言ってる…こぼれないように奥まで流し込んでぇ!」 そう言って夕が男に腰を突き出すと男がごくりと喉を鳴らして、夕に覆い被さって腰を突き動かし出した。 「宵っ!宵のが僕の奥をどんどんあったかくしていくよぅ!もっと深く、突いてぇっ!!」 夕の言葉で男の腰が激しく早くなる。 そんな中ですっともう一人の男が夕の前に立つと、当たり前のように夕の手が伸びて、宵のをしゃぶらせてぇと口に含んだ。 俺は目の前で行われている事に理解が追い付かず、ただ辛くて苦しくて悔しくて横を向いた。 それでも男達の汗ばんだ声と夕の甘い喘ぎ声、唾液と体液の淫靡な音、腰を打ち付ける音が混ざり合って塞げない耳の中に侵食してくる。 どれくらいそうしていたのか、男達に代わる代わる犯され続けていた夕のもう終わりと言う言葉と同時に、そんな地獄のような時間がようやく終わった。

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