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第23話

「ん…くぅっ!もぅっ…助け…っぁあーーーー!!」 「よく言う…だったら、ほら抜いてやる…っ!」 「ん…んんぅっ!」 「おい、抜けって言うから抜いてやるって言ってるのに、何をやってるんだ?」 「ひぁっ!あ…っんんん…」 「抜けって言うから抜いてやれば、必死になって締め付けてくるし、抜かなければ抜けと言う…嘘つきでいやらしくて、本当に俺好みだよ、宵は。だから…ご褒美っ!」 「うぅあああああっ!!!っくぅ、奥…まで、きて…ぁあああっ!」 「もっと奥までか?」 「もっ…っくぅ!つっ…いてぇえええ!」 「宵…煽りすぎだよ、お前。」 「いぃっ!!おっ…きぃいいい!激し…っの…、もっ…ぁあああああっ!」 「いいよ、このまま、突き殺してやる…宵っ!!!」 何度も何度も雪の体液が俺を満たし、ようやくぬぷっと音を立ててそれを地面に垂らしながら俺と雪の体が離れた。 鎖に繋がれたまま、何度も激しくイかされた俺の腕は普通ならば引き千切られている位の血溜まりが地面にできていたが、傷も痛みすらもなかった。 愛し合うか、憎しみ合うかと問われていたが、ついにそれが縛りとして機能し、もう殺してもらうこともできなくなったんだと理解する。 「宵、俺をどう思う?」 雪がニヤニヤと笑いながら、俺の鎖を外し始める。 聞かれてじっと考えてみたが、心に渦巻く感情がどうにも整理がつかなくて黙ったままでいると、鎖から外された体がバランスを崩して雪に向かって倒れ込んだ。 ぽすっと雪の胸に埋まった顔。回された腕の包容力。身体も心もこのまま雪に抱かれていたい。全てを忘れて雪を愛したい。そう穏やかな気持ちで瞼を閉じそうになった瞬間、それでも、雪が夕を俺から引き離した奴じゃないか?!そんな奴を許し、愛せるのか?と言う気持ちが湧いてきて、雪の体から自身の体を引き離す。 「好き?いや、憎い…でも、愛してる…なんだ、これ?何でどっちの感情も混在してるんだ?」 「それが縛りだから…ただ単に好きとか嫌いだけなんて面白くないだろう?好きだけど憎い、イヤなのに受け入れる。どっちもあった方が面白い。まぁ、それも宵の中にどちらの感情もあったから出来た事だけど。」 そう言ってにまぁと笑う雪に心の奥底に隠した筈の雪への想いまで暴き出されたのが恥ずかしくて、熱くなる顔を必死で隠す為に雪に尋ねた。 「でも、それは俺の感情だろ?お前の縛りは?」 尋ねた俺に見下ろすようにして雪がにまぁと笑いを浮かべて答えた。 「永遠にお前だけに執着する…お前が逃げようが求めて来ようが、俺はお前という全てを受け入れ愛する。ただし逃げてもいいが、俺は宵を絶対に逃しはしない。」 そう言って、離れようとした俺の身体をはずした鎖でぐるっと一巻きするとそのまま自分の方にぐいっと抱き寄せる。 「おい、離せよ!もう、十分ヤっただろう!?」 鎖から逃れようと身体を捩るが、力強く抱きしめられた体は身動きひとつできなかった。その力強さに一瞬全てを任せて受け入れたくなるのを、必死で頭を振って拒否する。 雪は俺の言葉にはははと笑い声を上げると、ギラッとした目で俺と視線を合わせた。 「十分?全くもって不十分だよ、あんな程度じゃ。宵、お前に対しては十分って言う言葉は俺にはないんだよ。お前をいくら抱いても抱いても、まるで砂漠の中にいるようにずっと渇いたままなんだ。唯一、抱いているその時だけ、俺の身体は潤う。だから、こうやって話をしている今この時もお前が欲しくて、この渇いた身体を潤したくておかしくなりそうで…だからもう、我慢出来ない!」 そう言って、身体を鎖で巻いたままの俺の首に血が出るほどに噛みつくと、そのままうつ伏せにして地面に押し倒された。 「やだ!雪、少し休ませっ…ぅうあああっ!」  俺の願いは聞き届けられる事なく、まるでケモノが獲物を食い尽くすように、俺の身体は雪によって貪り食い尽くされた。 何度も果て、その度に前回より高い頂に上り詰め、絶頂を迎える。 声も枯れ、鎖で縛られた身体は力が抜けて雪に揺さぶられるがまま、されるがままで意識も失いかけそうになった頃にようやく雪が俺の中から出て行った。 普通のモノでは届きそうもない所まで雪のが激しく出たり入ったりしたせいで、胎内がぐちゃぐちゃに掻き乱されてぐったりとしている身体を雪に抱き上げられたところで閉じた意識が再び戻ると、先ほどまでいた冷たくかたい洞窟とは違う、暖かないい匂いのする部屋の柔らかなベッドの上に寝かされていた。

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