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第30話
「今日も何の反応もないか…体の傷は治るけど、心っていうのは厄介だな…かと言って、無反応な身体を抱いても、それはただのおもちゃだ…だが…」
そう言いながら雪の手が宵の顔を優しく撫でると、宵の目からスーッと一筋の涙が溢れた。
雪が宵の頬を流れる涙を拭うとぺろっと舐めて、まだか…と呟いた。雪の手が宵にかかっている布を捲るとそこには胸にぽっかりと穴の空いた宵の身体が横たわっていた。
「心の傷とやらを可視化させてみたはいいけれど、こんな風になるなんて…な。宵、今日もスるよ?」
そう言ってそっと穴の中に入れた指でくるくると円を描く。それは小さい円だったり、縁に触れるほどの円だったり、早くしたり遅くしたりしながら、段々と指を増やしていく。
しばらく経つとびくんと宵の体が跳ね出すが、雪の指はそれを無視して円を描き続ける。
ガクガクと痙攣する宵の身体が一回大きく仰反ると、天井に向かって放たれた白い液体が宵の身体にぽたぽたと落ち滴る。
「さて、今日こそは俺を受け入れてくれるかな?」
にまぁと笑いながらそう言って雪が宵の身体にかかった液体を舐めとると、自身の下半身をその穴の中にぐぐっと押し込んでいく。
「…っくぅ!これは今日も相当に抵抗する…けど、いつもよりはいけそうだ。ようやく俺をこの中に受け入れるか…しかし、こじ開けていくこのなんとも言えない快感は…宵…お前も感じるだろう?気持ちいいって、もっと俺を奥まで欲しいって言えよ、宵!」
それまで一切の表情のなかった宵の顔に汗が浮き出て眉間に皺が寄る。
口の隙間から唸り声のようなものも漏れ出るのを聞いて雪の顔に再びにまぁとした笑顔が浮かんだ。
「ふふ…ようやく穴の中に俺を受け入れてくれたね、宵。長かったけど、それも永遠の時間の中では一瞬だ。」
宵の身体に開いた穴に入った雪のモノはベッドを貫通するかのようにずぶずぶと入っていく。
「はぁああっ!」
ついに宵の口が開き、甘い声が部屋に響くと雪がその腰を激しく動かした。
「宵、気持ちいいだろう?もっと俺が欲しいだろう?だったら早く戻って来い!俺をその甘い声で呼び、願い、怒り…愛してると憎いと、それでも俺だけが欲しいと言ってくれよ!頼むから、早く…早く戻って来い!宵ーーーーー!」
ググッと腰を穴の奥深くに、宵の心の奥底に届くように突き出し、自身の欲を穴の中に吐き出した。しばらくそのままで荒い息を整えてから、穴からそっと腰を離して宵の横に身体を横たえる。
「宵、いつまでも俺は待つよ。それが俺の縛り、お前がどんなお前でも、俺はそれを受け入れる…永遠に。今夜もお休み、宵。」
そう言って宵の身体を抱き抱えながら雪は瞼を閉じた。
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