34 / 39
第34話
「雪ぃ…我慢できない…雪を…夕の見ている前で雪のを俺にぶち込んでぇ!!」
「夕が泣いてるよ?夕の心が壊れちゃうよ?」
目を瞑ることも出来ず、縛られ顔を固定されて椅子に座った夕の心が壊れていく音が聞こえる。
俺にも聞こえる夕の心の壊れる音。
夕の音、いつ聞いてもゾクゾクする。
雪も俺を見て頷いた。
でも…
「痛っ!宵、そんなに締め付けたら、俺のが千切れちゃうよ。」
「だって、雪が夕の音で気持ちよくなってると思ったら、許せなくて…なぁ、俺だけで気持ちよくなってよ。夕の心の音なんか聞かないでさ。」
パリン
「うっわー!良い音!!」
「あああああっ!!」
「あ、宵、今のでイったの?!ずるいなぁ…俺には気持ちよくなるなとか言ったくせに…だったら俺をもっと気持ちよくさせてくれるよね?宵?」
「う…ごかな…いで…ってる…か…らぁあああああああっ!!」
「それが一番気持ちいいって分かってるでしょ?宵の中、夕の音より気持ちいい!宵、もっともっと俺でイって!!」
なんども激しく突かれ、奥を抉られ、イきながらも突き続けられて、何度も何度も俺の中に雪の熱が放たれる。
それでも乾き、足りないと叫ぶ身体。
一日中、抱き合って愛し合っても、離れればすぐにお互いを欲しくなる。
もう何百年、こうしてきたのか…
夕っていう子が時々この世に現れ、宵の愛していた子がきたよって雪が連れてくる。
でももうそれが誰なのか俺には分からない。
そうしてしばらく夕の前で俺達は愛し合う。
激しく見せつけるように俺を愛する雪が、いつもよりも俺を気持ちよくさせてくれて、だから夕が来るとドキドキする。
そしてしばらくして夕の心が壊れるんだ…音を立てて。
それを雪が俺にも聞かせてくれるようにしてくれた。
俺が夕の心を何回も壊してくれたからって。
俺にそれをプレゼントってくれた。
初めて聞いた時、その音だけで果てて気絶した。
すごい気持ち良かった。
俺が壊した心の音。
ヒビが入り…それがついに割れる。
思い出すだけでイきそうになる…
でも、雪が聞きたいのは、本当に聞きたいのは俺の音。
俺の心が壊れる音。
だから時々、雪は俺に色々な絶望を思い出させる。
それはその時一瞬だけで、戻ってきた時には何も覚えていない。
それでも俺の心には絶望の海が広がり続けている。俺の心が壊れるたびにそれは前の時よりも深く広く俺の心に広がり続けていく。
雪は知らない俺の心の海。
縛りのない俺だけの、俺だけが知っている心に広がる海。
これが俺の心を満たしたら、俺の心はどうなるんだろう?
俺にも聞こえるだろうか?
俺の心の壊れる音が…。
ともだちにシェアしよう!