7 / 53
第一章・7
(助けて、誰か)
希の目から、涙がこぼれた。
こんな生活から、救いあげて。
その時、先ほどまで話をしていた一志の姿が思い出された。
(お客様……?)
違う、と希は首を振った。
生きるか死ぬかの瀬戸際の人が、僕を構ってる余裕なんてない。
「あぁ、あ。はぁ、はぁ、あぁ、ああ!」
「いい声で啼いてきたじゃねえか」
抜け出せないのなら、精一杯この兄を悦ばせるしかないのだ。
機嫌を取って、優しくしてもらうしかないのだ。
「ああ、出そう。希、中出しするぞ」
「ッ、どうぞ……」
途端に、希の体内のペニスが硬く大きく膨れ上がった。
「あ! ヤぁ、あぁ、あ!」
「ほら、受け取れ!」
「ひぅッ! あぁ、あああ! はぁあ!」
奥まで突かれ、たっぷりと精を塗り込められた。
「んぁ、あ。はぁ、はぁ、あぁ……」
ぐったりとテーブルに身を任せて、荒い息を吐く希。
その白い尻頬を、尊はパチンと叩いた。
「おい。店、開けるぞ」
「うう……」
助けて、誰か。
希の叫びは、声にはならなかった。
ともだちにシェアしよう!