46 / 53

第七章 Take the A train

 希の三億円は、籍を入れてから税テクをフルに活用し返金してゆくことになった。 「本当に、僕はもうお金なんて要らないのに」 「お金はね、無いより有るに越したことはないんだ」 「でも……、僕はもう、一志さんさえ居てくれれば、他に欲しいものは何も……」 「……くぅッ」  どうかしたんですか、と妙な声を出した一志を、希は覗き込んだ。 「い、いや。あんまり嬉しいことを言ってくれるものだから」  のぼせて、鼻血が出そうだ。 「ヤだなぁ。興奮して、また元気になってきてる」  にっこり笑って、希は一志のペニスをそっと握ってくれた。 「あ、いや。これは、その」  静かに擦ってもらうと、たちまち硬く勃ちあがってくる。 「嘘はつけませんね」 「確かに、身体は正直だよ」  口づけあった後、一志は希の脚を大きく広げた。 「綺麗だよ、希」 「もう。あんまり、見ないでください」  頬を染め、横を向く希の震える睫毛が、妙にそそる。  すっかり準備の整った一志は、彼の中心へ深く挿入った。 「あ、あぁ。あ……」  中に潜り込むと、希は深い息を吐いて密やかな声を立てた。  このしとやかな彼を、ちょっといじめて乱れさせることが、一志は好きだった。

ともだちにシェアしよう!