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第31話 中を、かき混ぜて

 身体が熱くてたまらないから、きっと、焼き切れたんた。 「拓馬っ」 「ふっ ン、ん、ンっ」  理性、とか、そういうの。  立って、シャワールームのガラスの壁に寄り掛かった敦之さんが目を細めて足元に膝をついている俺を見つめてる。濡れた彼の髪から滴った湯の粒に目を閉じると、手を伸ばして、彼の股間に顔を埋める俺の額を撫でてくれた。 「やらしいね、拓馬」 「ンっ」  彼のペニスにしゃぶりつく唇の端を指先で撫でられて、感じやすくなってる俺は答える代わりに頬の内側を窄めて、亀頭を扱くように吸い付いた。  自分の手で。 「口でしながら気持ち良くなってる」 「ン、あっ や、あん、く」  自分のペニスを扱きながら。 「真っ赤だ」‘  のぼせそう。 「拓馬の舌、気持ち良いよ」  そう言われると嬉しくて、もっと丁寧にしゃぶった。全部にキスがしたくて、口を離して、先端にも、一番太くなってるカリのところにも、竿にも、根本にだってキスをした。貴方がしてくれる時みたいにカリ首を掌で包み込みながら握って唇で根本に顔を埋めてキスをする。頭上で貴方が呼吸を乱してくれる。  俺にしてくれた気持ち良いことを全部真似た。 「っ」  全部真似ながら、欲しくて欲しくてうるさく騒ぐ身体に、指を――。 「っ、ン」  もう欲しくてたまらないんだ。この人のこれを早く挿れてもらいたくて、仕方がないんだ。 「あっ」  ここに。 「拓馬」  彼のペニスを挿れて欲しい。 「仕事で会わずにいた間、そこいじらなかった?」  でも、自分ではしたことがない。  だって、もう、貴方とセックスできないのなら、もどかしさしかこの身体の奥には募っていかない。もう欲しいものがもらえないのなら。 「そのまま指、ゆっくり入れてごらん。さっき、ローションは塗ったから」  触ってしまうのは怖いし、切ないから。そこでの快感は覚えたくなかった。  けれど、きっと、焼き切れたから。 「拓馬」  理性も、分不相応だと、身分違いだと躊躇う分別も全部、焼け切れて、消えたから。 「拓馬の中、自分で柔らかくしてみせて」 「っ」  恐る恐る、手を後ろへ伸ばして孔に触れた。そこは驚いたようにきゅっと口を窄めた。 「あっ」 「大丈夫」  見られてる。  敦之さんに、指を挿れるところを。反り返った熱いペニスに頬を擦りつけて、キスをしながら、指を挿れてるところを見て、興奮してくれてる。あんな上品な人が眉間に皺を寄せて、余裕ある彼が切羽詰まった顔をしてくれてる。 「あっ ン、んくっ」  中はこんななんだ。  すごく熱い。 「あ、あ、あっン、敦之、さんっ」  ここに彼のが入るんだと思うと熱くておかしくなる。 「あっ ン」 「拓、馬」  自分の身体じゃないみたいに、内側が熱くて狭くて、ここにこの人の。 「ん、むっンんっ」  この人のを咥えたい。口で、身体で。全部で。  ほら、もう指が二本入る。 「ンっ、あ、あ、あっ んんっ」  三本、入った。貴方のはもっとずっと大きくて太くて、たくましいけれど。 「あつ、ゆき、さんっの、早く、欲しい」  もう我慢できないとねだって、指を挿入しながら、彼の股間に顔を埋めて、これをくださいとペニスの根本にキスをした。 「っ」 「あっ!」  抱きかかえられて、敦之さんが寄り掛かっていたガラスの壁に背中をしたたかに打ち付けるほど強く押し付けられた。小さく漏れた声を食べるみたいにキスをされて、そのまま、片足を大きく抱え上げられたら、もう、興奮に立ってられなかった。 「あ、あああああああ!」  貫かれて、そのままイってた。 「あっあ、あ、あ」  自分の赤くなった乳首にまで白濁がかかるくらい、射精した。 「拓馬」 「あ、俺」  達してもまだ熱が消えなくて、貫いている太くて硬いぺニスに絡みつくように中で大悦びしながら、腕でもしがみついて、キスをした。舌先を貴方の中に挿し込んで。 「ずっと、したかった。セックス、敦之さんと」  だからもっとしてと、ねだるように、舌で彼にしゃぶりついた。 「あ、あ、あっん あ、ダメ、また、イク」  熱くて溶けそう。ぐずぐずに。 「あぁぁっ、あ、そこ、奥っ」  奥を突かれる度に頭の奥が痺れる感じ。 「っ」 「あ、またっ、イク」  感電するのってこんな感じ、なのかなって、ぼんやりと思いながら、彼に触れられた場所がヒリついて、奥まで貫くペニスを孔できつく締め付ける。 「あぁぁ」  またすぐに激しく貫かれて、頭の芯が痺れて思考が焼き切れる。 「やぁぁぁ……ぁ、あ、あ、そこっ、だめっ」 「あぁ、ここ、だ」  敦之さんが痩せたと言って心配してくれた俺の細い腰をしっかり鷲掴みにして、片足だけを抱え上げられながら、気持ち良すぎてダメになりそうな場所を強く深く抉じ開けられた。 「あ、あああああっ」 「拓馬の好きなところ」 「あっ……ン」  奥まで熱くて、ヒリヒリして、気持ち良い。 「ずっと甘イキしてる」 「んっ」  じんじんと熱に熟れて、敦之さんのペニスの形に中が変わってく気さえする。 「はぁっ……」 「中がやらしく絡みついて」 「あ……ン、そこ、もっとして」 「前立腺を触られたそうに膨らませて」 「あぁぁっ」  擦り上げられて、答えるように何かが鈴口から溢れた。 「欲しがりで」 「あ、あ、あ……そこ、イク、イクっ」  もっとカリ首で引っ掻いて欲しい。中をかき混ぜて。 「あっ! イクっ……ンっ」 「可愛いよ」 「っ、んんんんっ」  ゴム越しに敦之さんの熱がドクドクと中でイった。 「たく、ま」 「あ、ああああああああっ!」  好きな人に可愛いと言われて、ずっとずっと、蕩けるようなセックスにしゃぶりついて揺さぶられてた。

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