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第81話 貴方のものに
「あっはぁっ……ぁ、あっ」
気持ち良くて、声が溢れて仕方ない。
「やぁ……そこっ、ぅっ……ン」
長い長い指で、孔の中を擦られながら、その孔に口付けまでもらえた俺は、腰を高く掲げるような体勢で。そして、ベッドの下に敷いたバスタオルに乳首がかすって、それすらもたまらなくて、シーツを掻きむしるように手繰り寄せた。
「あ、ンっ」
身体の奥まで柔く仕立ててくれる指の動きに合わせて、どうしても響く濡れた音がひどく艶かしい。
「あ、あ、あ」
敦之さんに教えてもらった身体はその指にまで吸い付くように中が出来上がってる。
「あっ」
熱くて、つい両手でお腹を押さえたら、すごくたまらなくなった。
敦之さんの欲しい。
ここに敦之さんのが入って。
「あ、あっ」
今、指でしてくれてるところからもっと奥まで全部擦られたい。貫かれて、指じゃ届かない奥まで全部いっぱいにされながら、後ろだけで――。
「可愛い、拓馬」
「あ、やぁ……」
「やらしい音をさせて。ここも、膨らませて」
イかせて欲しい。
「あ、あ、あ」
撫でて可愛がられた身体の内側が指に悦んで、前のそり返ってるそれの先端からとろりと透明な露が滲んでしまうのを感じた。
「前もこんなにして」
「あ、あ、あ」
「拓馬」
手を伸ばして、背後で柔らかく仕立ててくれる指を捕まえて、愛しい人を手繰り寄せる。
「敦之さん」
手を繋いだまま濡れた身体をゆらりと揺らして、起き上がり、厚い胸板にしがみつくように寄りかかると、キスをした。唇と、鎖骨と、トクントクンって少し忙しそうな鼓動が聞こえるところと、それから、下腹部のところ。
「ん……」
あと、熱くて、硬いペニスの先端。
「ん、む……」
口に咥えて、舌先をその先端にくるりと巻きつけるようにしながら、小さな割れ目を舐めて、ちろりと撫でた。
「拓馬」
こんなに熱くて、太い。
「っ、拓馬」
「ん、ふっ……ン、ん、ぁっ」
敦之さんの。
痛そうなくらいにそり返ったそれをできるだけ口に咥えて、しゃぶりつくと、お腹の奥のところがぎゅっと締め付けられる。舐めてるのは俺なのに、中がジンジンと疼いて仕方ない。早く欲しい。でも、まだ舌先で、口の中で頬張っていたい。敦之さんのペニス。
「拓馬」
「あっ」
「ありがとう。すごく気持ちよかった」
「あっン」
ぐるりとまた体勢が入れ替わった。組み敷かれて、乳首を噛まれると、自然と背中が反って、その優しいけれど少し危うい快感をくれる歯に自分から乳首を押し付けてしまう。
「あっ」
「やらしい」
「あ、ン」
指先に摘まれて、ぷっくりと反応した乳首を可愛がるように舌先が舐めて、弾いた。
「あんっ」
甘い悲鳴を溢しながら、どっちの乳首も可愛がられて。無意識にしがみつこうとした手を掴まれた。そのままベッドに縫い付けるように両手を束ねて、押し付けられてたら、すごく興奮が増してく。
「あ、乳首だけで、イッちゃぅ、あ、あ、あ、あ、あ」
今日は、期待が膨らみすぎてるから。
「あっ……ン、乳首だけで……」
「あぁ、上手」
「あっ、敦之さんっ」
今夜はこのまま、くれるから。
「早く、ここ……に……」
足を大胆に、拡げた。孔も指で拡げて、ねだった。
「欲しい……」
ここ、欲しがってる。貴方のこと、欲しくて。
「ください」
全部、独り占めしたくて、ヒクヒクしてる。
「敦之さんのこと、早く」
今夜はこのまましてくれるって、約束したから。期待で身体がおかしくなりそう。だから早く、ください。
「拓馬」
ここに、貴方をこのまま、ください。
「挿れるよ」
ぴたりと、ペニスの先端が、孔に触れただけで、ぶわりと熱が身体から滲んで、震えた。
「あ、ああーーーーーっ」
でも、構うことなく、敦之さんの指とキスで柔くなった孔を太くて硬いペニスで貫かれた瞬間、達してた。
「っ」
「あ、あ、あ、敦之さんのっ、硬くて、ぁ、こんなに、ああああっ」
ビュクッと弾けた白が、揺らされた拍子に、肌の上をツーっと滴り落ちていく。
「やぁっン」
腰を掴まれて、そのまま貫いて、引かれて、また深く貫かれながら、達したばかりの身体がペニスに絡みつくように締め付けてる。
「その顔、誰にもっ見せないように」
「あっ……あ、あああっ……んっ」
見せられないし、見ることはできないよ。
「な、い……です」
ぎゅっとしがみ付いて、全部、熱の塊みたいな敦之さんで身体の中をいっぱいに満たしながら、腕に力を込めて抱き付いた。
「敦之さんだから、俺、こんなにっ」
貴方じゃなくちゃ。
「あ、あ、あ待って、敦之さんの、熱いっ、あっ、あぁっ、中でおっきく」
俺の身体を、こんな愛されてるって実感しちゃえるくらいに柔らかくやらしくしたのは敦之さんなんだから。
「あ、あ、あ……あ、気持ち、い」
淫ら、かな。
「やぁっ……ん、あっ、それ、敦之さんっ」
はしたない?
「あ、あ、あ、またイクっ、敦之さんっ、俺っ」
「っ」
貴方の精液までも独り占めしたくて、しゃぶりつくように中をきつくする俺の身体は、いやらしい?
「拓馬」
「あ、あ、あっ」
「誕生日、の、お祝いをくれる?」
「あ、ン、何、でも」
揺さぶられながら、俺を揺さぶり続ける貴方の唇をぺろりと舐めた。なんでもあげるって、捧げるように口付けた。
「君がいい」
甘い、優しい、けれど、低く、ゾクゾクするような声が教えてくれる。
「君をくれ。俺に」
蕩けてしまう。
「君を……」
「いくらでも、全部」
足の先から髪の毛の先まで、全部丸ごと。
「敦之さんにあげます」
もうずっと夏が始まるあの日からずっと、俺は貴方のものになりたかった。
「あ、あ、あ、あっ」
「っ」
「あ、イク」
貴方のものになりたくてたまらなかった。
「あ、あ」
「拓馬」
「早く、俺の中、も、全部」
「っ」
「あ、あ、あ、あ、イク、あっ、いくっ」
貴方でいっぱいになりたいって、ずっとずっと、願ってた。
「拓馬」
貴方のものにずっとなりたかった。
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