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12-2 ※鷲尾×真鍋、暴力、流血、尿道責め

 ──殺される! そう思ったのか、真鍋は反射的に目を瞑った。  だが、その当ては外れたどころか、一瞬で殺された方が良かったくらいだ。刃は真鍋の左手に突き刺さり、手の甲まで深く刺し貫かれている。これではとてもじゃないが動けやしない。 「ッ……!? ぐ、グガ、アァ……ッ!!」 「ああ、痛かったですね。でも大丈夫、これくらいじゃ死にませんから。それに、お仕置きはこれからですよ」  目をひん剥く真鍋に対し、鷲尾は笑顔で凌辱を始めた。  無理やり下着ごとズボンを脱がせ、初回のように前戯もなしに貫いていった。引き裂かれるような激痛が走り、真鍋は苦痛に呻く。  が、悲鳴を上げては鷲尾を悦ばせるだけだと先日の暴虐で悟ったか。眉根を寄せ、びっしりと冷や汗をかきながらも、唇をギリギリ噛み締めて耐えている。 「うぐ、ぐぐッ……むむ……」 「あれ? 今日は叫ばないんですね」 「こッ……このガキみてぇな仮性包茎チンポ入れられたくらい、どうってこと、ねぇんだよ……」  そう言う真鍋は息も絶え絶えだ。必死で虚勢を張っていることは明白である。  今回も力のまま突っ込んだものだから、このまま続けては大事な尻穴がズタズタになるかもしれない。  こんな真鍋が日常生活で尻の痛みに少しでも顔が歪んだだろうなと考えると、笑えてくるものがある。 「そうですか、相変わらず真鍋さんは我慢強いお方ですね。素晴らしいですよ。でも……いつまでもそれじゃあ、つまらないというものです」  鷲尾は不穏に言いながら、本能の赴くままに突くのをいったんやめる。  自身と下半身で繋がる真鍋をまじまじと見下ろし、ニコニコと微笑みながら、片手で萎んだペニスを柔らかく包み込む。その薄ら寒い笑みに真鍋は、鷲尾がまた何かよからぬことを実行しようとしているのだと察した。  鷲尾の手には、普段仕事でもよく使う手帳用のボールペンが握られている。その切っ先が狙いを定めているのは、先端の切れ目。細く狭い尿道である。 「お、お前っ!? まさかそれ……」 「ご名答」  鷲尾は一切の容赦なく真鍋の尿道へペンを突っ込んだ。 「うぎぐぉおおおオオオオオオオ!?」  あろうことか男として最も大切な器官に異物を挿入された衝撃に目を剥く真鍋に構うことなく、鷲尾は激しく腰を揺すり立てた。下腹がだらしのない臀部に当たってパンパンと音が鳴るほどに打ち付ける。 「ぐあぁっ!? がはっ、おぉぉ……ゴフッ」  さすがに意識を失うかとも思うような激しいピストン運動だが、獣じみた呻き声を絞り出しながらも真鍋はまだどうにか耐えている。  鷲尾はふぅん、と意外そうに鼻を鳴らした。痛みには強い──というよりも、男としてこれしきのことでへこたれてはならないと、彼の自尊心がそうさせているのだ。  そんな高いプライドをへし折ってやるのはたまらない快感だ。獅子のように強い男を組み敷いて犯し尽くし、性の奴隷へと変貌させることは鷲尾にとって至上の悦びであった。 「フッ……ふぅ……フウゥッ……っぐぁ……」  歯の間から漏れる苦悶の声は仕方なく、鷲尾には子守唄のように心地良い。もっとだ。もっと彼の悲痛に満ちた声を聞きたい。  ボールペンが刺さったままのくったりしたペニスを引っ掴む。 「くはッ……触る、んじゃ、ねぇッ……!」  本来は小便や射精の為だけに存在する、ごくごく細いそこが、太さ一センチにも達するものでぴっちりと栓をされている。相当な激痛だろう。この後の尿は、どれほど滲みることやら。  黒いインクと切れた血液が混じった液体と、包丁で貫いている左手と、傷付けられた肛門粘膜と。そして、それでも我慢し続ける真鍋の食いしばった唇の皮からはさらに出血しそうで、まさに血に塗れた拷問だ。  そうだな、真鍋はこれでいい。下手にすぐ快楽に堕ちて無様な姿をさらすより、いつまでこうして強がっていられるかが見たい。  この真鍋が惨めに泣き叫び、許しを、欲望のままに悦楽を解き放ちたいと懇願してきたその時こそ、きっと達成感を得られるというものだ。  尿道責めをするたびに息を乱す真鍋がなんとも面白く、片手でふにふにと萎えた逸物を弄りながら、もう片手で抜き差しを行う。  カテーテルよりも太すぎる異物で、極小の穴が広がりきっている。快感などありはしないので、我慢汁の一滴も溢れない。 「動す、なっ……がはっ……やめろって言ってんのが、聞こえねぇのかこのゲス野郎がッ……! っは、ぁ……」  やめろと言われるとやめたくなくなる気持ちがわからない真鍋ではないだろう。過去に散々、傷害や強姦を犯した張本人なのだから。自分がされるのは別だなんて、まったくそれこそ勝手ではないのか。 「俺のチンポくらいどうってことないんでしょう? だったら最後まで耐えてみてくださいよ。それとも、ケツマンかチンポ弄られるのかはたまた両方か……意外と気に入りました?」  冗談ではない、といった鋭い眼光で睨み付けられた。片手を不能にしていなければその場で殴り飛ばされていたことだろう。  刺していない方の手は、もはや感覚が麻痺してきているのか、痛みを我慢するので精一杯なのか、床に伏せたままだ。  腰を振るたび、尿道を抉るたび、真鍋のアナルはキリキリと勃起を潰しかねないくらいの圧をかけてくる。搾り取るかのような締め付けと蠕動運動がとてつもなくたまらない。見た目はさておき、いつまでも生娘のような最高のキツキツオナホだ。  自分らしくもないが、そこは鷲尾も男。圧倒的な快楽の前には理性よりも本能が先行し、腰が止まらない。 「っは……真鍋さん……真鍋さんっ……」  名前を呼ばれたことで、鷲尾が多少の執着を持ったと思ったのだろう。真鍋が怪訝に見上げてくる。 「あぁ……このマンコだけ欲しいな……上半身はこの際どうでもいいから……」 「……ハッ、俺をラブドール扱いとは……本当に趣味の悪い畜生だな」 「んっ……ドール? 誰が? えっ? 違う違う、文字通り下半身だけにするのもいいなって話ですよ。切断して生オナホにするんですけど。あれ? 真鍋さんって経験豊富そうなのに、屍姦もしたことない? それは話が噛み合わない訳ですね」 「な……切……っ」  鷲尾の猟奇的な発想に開いた口が塞がらない真鍋。  殺されるのも当然たまったものではないが、死後そんな扱いをされるとはあまりに狂った倫理観だ。それも、経験済みといった口調で言われるとは。 「平気ですってば。そんなことにならないよう……真鍋さんが今のうちに俺の相手をたっぷりしてくれたら……少なくともそこまで悲惨にはならない……かも」  含みを持たせて言う。そこまで、ということは、何やら悲惨な目に遭わせたいと考えているのと同じだ。

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