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17-2 ※鷲尾×晃、フェラ、羞恥、嘔吐

 最初と比べれば、ずいぶん積極的なフェラだ。というより、ここが誰が来るかもわからぬ公共の場であることが、晃を焦らせているのやもしれぬが。 「ンッ……! んっんんっ……じゅるるるぅッ……かはっ……はふ……むごおぉぉぉ……」  鷲尾のやり方を思い出してだろうか? 少しは上手くなっていた。  先っぽや裏筋を舐め転がして。頭を必死に前後させて扱いて。溢れる唾液は飲み干す度胸はなく、そのまま垂れ流しだ。  添えた幹の部分もやわやわと扱き立ててきて、なんだかふわふわと、この世のものではないような悦楽が鷲尾の全身を駆け巡った。  それだけでも扇情的で鷲尾の嗜虐心をそそったが、事はそう簡単には上手くはいかなかった。  晃が声を潜めて奉仕している最中、雑談をしながら社員と思しき男がトイレに入ってきた。声と歩数からして二人。  それには、晃も鷲尾のものを口に含ませたまま、息を詰まらせ、肩を震わせた。どきまぎとした心臓の音がこちらにも聞こえてきそうだ。 「しっかし、今朝の篠宮と鷲尾の会話、聞いたかよ?」  口調からするに、同じ営業の同僚だ。鷲尾も顔と名前を思い出す。彼らは呑気に小便をしながら話している。 「何やってんだろなぁ、篠宮。元からムカついてはいたけど、あれって……完全に鷲尾の足引っ張ってるよなぁ?」 「まあ、鷲尾の営業成績がヤバいのは俺らもプレッシャーだけどな。今までは篠宮が居るからのんびり仕事してても良いみたいな雰囲気だったけど、これまで以上に真面目にやらないと……。俺、もう少ししたら彼女にプロポーズしようと思ってて」 「マジ? それじゃあ、鷲尾にも負けてらんねーな」  他愛もない会話。やはり晃は社長の愛息子として、どうにも同僚にすら適当にあしらわれている。  と、用を足して手を洗い終わった二人が、一つだけ閉まった個室に気付く。 「……うげ。さっきなんか走ってったし、篠宮じゃ……ない……よな」  小声で呟くものの、そのまさかとは夢にも思うまい。  鷲尾はその場の思い付きで、晃の頭を掴んで力いっぱい押してみる。 「ぐぶぅっ!? ……ん、ぐ、う……」  涙目の晃が小さく呻く。必死に声を殺してはいるが、背徳のイラマにはとてもじゃないが耐えられない。 「ん? もしかして踏ん張ってる?」 「バーカ。吐いてたりなんかしたらさすがに可哀想だろ。おい、無理すんなよ」  そう声をかけられても、ノックや返事の一つもなかったものだから、二人は訝しげにしながらもトイレを出て行った。  小さく鼻で笑って、晃を離してやった。早くも涙と鼻水が溢れている。 「げほっ……ごほ! こ、こんなことして、見つかったら、どうするのっ……」 「さあ? でもあなたが我慢したおかげでばれなかった。結果オーライということで」  先のことなんて考えてもいなかった、というように首を傾げる。 「それよりも……あなたが行うべきは俺の機嫌取りでしょう? いつまでも苦しんでいないで、とっとと再開するんだ。そうやってモタモタしている間に、また誰か来るかも」  そう捲し立てられては、晃は従うしかない。深呼吸をして再び鷲尾の怒張を口内に含み、今度は早く終わらせてほしいとばかりに淫靡な水音まで立ててむしゃぶりついてきた。 「んっ……れるるっ、じゅるっ、あふぅ……じゅるるるっ……っぷはぁ!」 「ん。さっきより格段に上手くなってますよ」 「そ、れなら、良かった……。ぷふっ、んごぶっ、けふっ、んんんっ……!」  雁首までをアイスのように舐め転がしていたのが、目一杯に口に含んで、前後運動を開始する。余った茎の部分は片手で添えて、リズミカルに扱いている。  晃なりに鷲尾を気持ち良くさせて早くこの悪夢から脱したいという表れだろうが、当の鷲尾は変わらず晃の舌使いに魅了された。  早く終わらせてなんてなるものか。どうせすっきりするのなら、晃を徹底的に辱めてからではないと。 「さっきみたいに、ディープスロートお願いできますか。喉の奥まで咥え込んで」 「ふぇ……? 喉……でも、あれ、すごく苦しくてっ……」 「嫌だって言うのかよ? あ? 俺は大事な大事な約束を守ってやってるのに、まったくあなたと来たらどうしようもない我が儘ボンボンだよなぁおい。そりゃあ同僚にも嫌われる訳だよ」 「っ、ぁ……それは…そんなこと言わないで……ご、ごめんなさいっ」  不機嫌な態度を取りながら詰め寄ると、晃は慌てふためいた。逃げられない場所で鷲尾に髪を強く引っ掴まれ、大声で助けを求めることもできず。  そのままどんどん奥の喉粘膜が張り詰めたもので掘削され、激しいイラマに晃は満足に息もできず、手足をジタバタとさせている。 「ちょ……っと、待って! や、やるから! 自分でちゃんとやるから、待っ……今、強引にされたらっ……」 「されたら、どうなるって言うんです?」 「げほっ……あ、朝ご飯が……込み上げて来そうで……だから……も……おえぇっ……」 「だから何だって? 吐くのか? ああ、そうですか、吐きたいんですね、篠宮さん。俺には、そんなこと関係ありませんがねぇ! ハハハッ!」 「ぐぼおぉぉぉっ!?」 「ほらほら、吐け! 吐けよ! 胃の中のもの全部出しちまえ!」 「やらっ……ゆ、ゆるして、怜仁くっ……うぐっ! がぼぉっ! ぅおえぇぇっ!!」  強引にペニスを押し込み続けた結果、遂にグポッと食道まで潜り込み、こってりとした精液を噴出させる。全て晃の口内に流れ込み、晃の嘔吐物と混じって、悲惨な状況となる。  お互いのスーツにはかろうじてかかっていないものの、トイレの床は晃が吐き出した汚物でいっぱいになった。 「うひひっ! 本当に吐きやがった! フーッ……ねえ、篠宮さん。ゲロが混ざったザーメンのお味はどうですか? おいしいですか?」 「……おいしい訳……ないじゃないかっ……」  鷲尾に対する呆れと、諦めと、さらにはこんな時にふつふつ沸いて出てくるはずのもう一つの感情。あの晃でもさすがに激怒するかと身構える。  だが、やはり晃はどこか寂しそうに視線を落とすだけだった。 「……怜仁くん、そこどいて……怜仁くんまで汚れちゃうよ……僕、掃除……するから……うぅっ」 「……そうですか。じゃあ、後はお願いしますね。篠宮、さん!」 「うわっ!?」  去り際、鷲尾は晃の背中を蹴りつけた。大きくバランスを崩した晃は自分の嘔吐物と鷲尾のザーメンが混ざったものに倒れ込み、高価なスーツがすっかり汚物まみれになった。  これでは、どんな言い訳をして仕事に戻るのだろう。まあ、今の俺には何の興味もない。  くすんくすんとみっともなくすすり泣く声を聞きながら、鷲尾は晃を振り返ることなくその場を後にした。

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