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19-2 ※鷲尾×真鍋、失禁、玩具
「真鍋さん、あんまり物騒なこと言わないでくださいよ」
「うるせっ……ぁがっ!?」
叫ぼうとした真鍋の息が詰まる。
真鍋の口に突っ込まれたのは、鷲尾が懐から取り出した銃だ。
「殺すなんて言葉、こういうものを盾にしなければ、何の価値もありませんよ。……それじゃあ真鍋さん、俺も同じことを言わせていただきますね。大人しくしていないと本当に殺しますよ」
「……っ! ……ぅ……ぐっ……」
どれだけ虚勢を張ろうが、危機的状況に陥れば、誰しも死を恐怖する。
しかも、一般人がそう易々と入手・所持できるものではないことくらい真鍋も瞬時に理解した。
真鍋もまた、全身を強張らせ、視線を銃に釘付けにしている。
今この瞬間、こいつの命は俺が握っているのだ──そう思うと、冷えていた身体が途端に熱くなっていくのがわかる。
また真鍋の苦痛に満ちた顔を見たい、声を聞きたい。早く犯したくてたまらない。
どす黒い衝動が頭の中を支配していって、今にも声を上げて笑い出してしまいそうになるのを押し殺すので精一杯だ。
「ぬごぉっ……がっ……!」
銃をさらに深く押し込む。鷲尾から見るに真鍋はまだ余裕だ。さすがは一時期ながらも非合法組織に身を置いていただけはある。
だが、冷や汗を滲ませながらこちらを見つめてはいる。
一度銃を口から出してやって、真鍋の言葉を待つ。
「そっ……そんなもん、ぶっ放してただで済むと思うのか? 例え俺一人殺せたところですぐに人が来る……そうなりゃお前が捕まるのは時間の問題だ」
「ご忠告ありがとうございます。でも、その点に関しては大丈夫ですよ。ここのマンションは壁が厚いので……いろいろなことをするのにうってつけなんです。だいたい、今までどれだけ大声を出して抵抗しても、隣人も警察の一人も来ないなんておかしいとは思わなかったんですか?」
「それはっ……」
確かにそうなのだ。監禁どころか拷問されているのだから思考力も鈍っているのかもしれない。真鍋の狼狽ぶりが手に取るようにわかった。
そして、鷲尾は寝室から枕を持ってくると、真鍋によく見せつけてから、安全装置を外すとすかさず枕を撃った。
中の羽毛が辺りに散漫し、一発の銃弾が床に転がるが、肝心の銃声はわずかなものだった。
極限まで発砲音を抑えたサプレッサー付きのそれは地下クラブ独自の技術で完成した代物で、日本の裏社会の中ではまだごくごく一部にしか流通されていない。今は軍事目的として、海外組織が主な買い手だ。
「ね? これなら周りの誰にも気付かれないで死んでいけます」
「嘘……だろ……そんな、ものが……。映画じゃあるまい……」
「良いじゃないですか。スパイ映画のように死ねるなんてロマンたっぷり。なかなかできない経験だと思いますよ。それでは、望み通り、殺して差し上げます」
簡単に言いのけると、鷲尾は銃を真鍋に向け──尻穴に銃口を定めた。
「ひっ!? ……ま、まさか……本当に撃つ気はないよな……なぁ、おいっ」
真鍋の制止を無視し、ぐいぐいと銃をめり込ませていく。
「往生際が悪いな。先に殺せって言ったのはあなたの方じゃないですか。もう交渉の余地はありません」
半ば苛立ちさえ感じているように舌打ちをする。
「なっ……ぁ……よせ、マジでよせっ! や、やっぱりこんな死に方御免だっ!」
「さようなら」
無情に引き金に指をかけた。
「ひぎゃぁぁぁあああああああっ!!」
真鍋の絶叫とは裏腹に、銃は空砲で終わった。
最初から弾を入れていたのは、真鍋を信用させる為の一発だけ。
殺す気など毛頭ないが、このくらいの脅しでなければ、真鍋は従わないと思ったまでだ。
引き金を引いた瞬間に真鍋のペニスの先から吹き出たものが、チョロチョロと溢れ、鷲尾の手やシートを汚す。
本当に撃たれたと思ったのだろう。真鍋は失禁していた。
「ぶっ……はは、あははは! 真鍋さん、四十も過ぎて大小もお漏らしとは、恥ずかしいですねぇ」
「ぐぅっ……う、ぁ……」
まだ生きていること。そして、鷲尾の前で尿を撒き散らしたことが、徐々に追いついてくる。
「あ……ぁ……」
虚ろな真鍋の顔に、鷲尾は真鍋の尿で汚れた手をなすり付けた。
「ひぃっ!」
驚いて、真鍋は顔を背けた。
「なんで避けるんだ! あんたが勝手に漏らしたんだろうが、あ!? 責任持って綺麗にしろよ! ほら!」
真鍋の頭を鷲掴みにして、口に指をねじ込んだ。
むせ返る真鍋を気にも止めず、舌や、頬裏、歯茎にまで尿を擦りこんでいく。
口中をぐるりと掻き回し、指をしゃぶらせ、今度は唾液まみれになった指を、真鍋の髪で拭いた。
「本当、汚いオヤジだな」
嘲笑混じりに言うと、真鍋は激しく咳き込みながらも鷲尾を睨んだ。
「誰の、せい、だと、ゲホッ……クソがっ……! おぅぇっ……鷲尾おぉぉっ……!!」
鷲尾の名を叫ぶ真鍋の目は、怒りと羞恥に染まっている。
なかなか良い気分だった。自分はこんな風に他人から激情をぶつけられることが……きっと好きなのだ。誰のせいでもない、最初から。生まれたその瞬間から。
「あなた、だいぶ勘違いなさってますね。俺がそんなに簡単に殺すとでも? はぁ、やっぱり根はただのチンピラ風情にしか過ぎませんね。俺のあなたへの望みはそう……地獄の苦しみ……生き地獄を味わわせて差し上げること。ざぁんねんでしたねぇ~真鍋さん! ウヒッウヒヒヒヒッ!!」
鷲尾は銃を懐にしまうと、剥き出しの真鍋のアナルに指を添える。
「ぐっ……! 触るな!」
真鍋は身をよじって抵抗するが、手足の自由を奪われた身体ではとても逃げることなんてできない。
そのまま潤滑剤の用意もなく真鍋のアナルに乾いた指を一本挿入していった。
「ふっ……ぐっ、ぐおぉっ……抜、け……っ」
真鍋が痛みと異物感に歯を食いしばる。二本に増やして、V字に開く。
閉じた穴を無理やりこじ開けられて、真鍋の顔はさらに苦悶の表情に歪む。
「かはっ……!」
二本の指をぐるりとかき回して押し広げ、もう一本を潜り込ませる。狭かろうが何だろうが穴は穴だ。こうして隙間さえ作ってやれば、多少強引でも意外と入ってしまうものだ。
「うーん。先っぽがまだキツそうだけど……まあ入るかな。アナルセックスも慣れですしね」
指を引き抜く。真鍋がホッと息を吐き出したのもつかの間、鷲尾は用意していたバイブを見せ付けた。
「えっ……お、お前じゃ、ねぇのか……?」
予想外の真鍋の言葉に、鷲尾は思わず失笑してしまった。
ああ、いつもみたいに同一人物に犯されると思っていたのか。そうだな。それもいい。でも汗をかいてまで丁寧に開発してやろうなんて気もさらさらない。
鷲尾が手にしたカラフルなバイブは、真鍋の部屋を個人的に物色して見つけたものだ。
風俗で日常的に使っているんだろう、性にオープンな真鍋らしく、使わない間だけ引き出しの中にしまってあるというくらいなのか、随分と無造作に保管してあった。
「これ、ずいぶんお気に入りのようですね?」
「うっ……ま、待てっ、いきなりそんなぶっ太ぇモンは無理だ!」
バイブを目にして、たまらず真鍋が慌て出す。
鷲尾のものより亀頭部分や長さもかなり大きい。ぱっと見て最大口は4.5センチ、竿の長さは20センチ近くある。その大きさに真鍋が驚くのは妥当だろう。
いくら経験豊富な風俗嬢とは言え、こういう玩具を持って来られるのははた迷惑でしかないと知らないのだろうか。
今まで女相手に使う側でしかなかったものを突っ込まれようとしているのだ、みるみるうちに真鍋が顔面蒼白になっていく。
「おいっ……! クソッ、マジでやめろ……シャレになんねぇぞ……!」
「やめませんよ」
言いながら、真鍋のアナルにバイブの亀頭を押し付ける。真鍋はすかさずバイブの侵入を拒んだ。
そのつもりなら別にいい。別にこんな中年男を大事に扱ってやろうなんていう気持ちは欠片も持ち合わせていない。
結果は何も変わらない、だから抵抗したいならいくらでもすればいいのだ。
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