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20-4 ※美波×柳、薬物、キメセク

 鷲尾の予想通り、クラブへ連れ込まれた美波は、内診台のような拘束器具に全身をきつく縛り付けられていた。  見るからに怪しい施設に拉致された美波は、当然訳がわからないでいる。  しかし、ここが犯罪者の巣窟であることはどことなく勘付いているようだ。 「ようこそマイホームへ、美波さん。ああ、早くあなたにもここを見せたかったけど、ようやく叶った」 「何言って……ここが、家……? だってマンションは……」 「あれは別荘のようなものかな。なんて言うと金持ちっぽくていやらしいか」  裏取りもしてあるから、実際に契約していることも、行き来していることも本物だ。  とすれば、美波が首を捻っていた「刑事を撒いてまで行く非合法な場所」ということになる。 「舞も昔はここでたっぷり可愛がってあげたんですよ」 「……お前なんかが気安く姉ちゃんを名前で呼ぶな」 「気安くなんて。俺と舞はそういう仲だった。まあ、一方的ではあったかもしれませんが。そうなれば、あなたももう家族みたいなものです。あれの弟となれば、これまで以上に可愛がってあげても構いませんよ? ねえ、薫雄、」 「うるさい黙れっ! 姉ちゃんを返せよ! 俺をここから出せ! うわあああああああっ!!」  混乱と激昂の極みに達した美波は、縛られてもなお、縄をギシギシと鳴らすほど身をよじって抵抗した。 「お前も、ここにいる奴らみんなを俺は絶対に許さない! 殺してやる!!」 「美波さんって……本当に正義感が強くて……人情味があって……でも同じ男のくせに少し誘惑したくらいでチンポに屈するド低脳のクズ刑事でしたよね。はぁーあ。なんてつまらない人間」  鼻でせせら笑い、鷲尾は注射器を手に取る。 「っ! 何なんだよそれっ! や、やめろ……っ! やめろぉっ……!!」  慣れた手つきで腕の内側をアルコール綿で消毒し、静脈から中の液体をゆっくり美波の体内へ注入した。  針が折れる危険性もあり、それには美波もわずかに身体を揺すったのみだ。恐怖に表情を歪めながら、謎の液体が注入される様を見ていた。 「ひっ……ぐ……何を注射した!」 「麻薬ですよ。それも強力で……特に、あなたのだぁいすきなセックスにおいて感度が高まるようですよ。俺は使ったことがないので全然知りませんけど」 「ま、ま、麻薬……嘘だ……俺が、そんな……あぁっ、うぁぁぁ……」  真鍋ならいざ知らず、美波には程遠い絶対に手を染めることのないはずだったものを無理やり体内に入れられてしまった。もう取り出す手立てなんてない。 「怖いのはたぶん、最初だけですよ。日課になればみんなヒィヒィよがって悦んで、もっとお薬欲しいって喚き出すくらいですからね」 「ま、毎日……こんな……っ? どうして俺が……うぅっ、うう……姉ちゃん……助けられなくてごめん……姉ちゃん……ぁあああああっ!!」  想像しただけで絶望したか、美波はしくしくと泣き出した。  薬の名前は、チューベローズ。和名は月下香という花から来ている。  花言葉が「危険な快楽」であること、夜に香りが強くなることからそう名付けられた。  表でも比較的手に入りやすいものと違い、回復不能なレベルの劇薬であるから、正気の美波はもう見納めかもしれない。 「じゃ、後は任せたぞ柳」 「うぃーっす。テメェにパクられた奴らの恨みを思い知りやがれ! ヤクザ舐めんじゃねぇぞ!」  もう彼に汗を流してやる必要はない、と感じていた鷲尾は、やはり職種柄か美波を不満に思っていた柳に後処理をしてもらうことにした。 「どうせだから、今回だけ見ていようかな」  適当に椅子を持ってきて腰掛けると、両脚をクロスして遠目に美波を見つめる。 「うっわ。アレ使っといてそういうこと言う? 鷲尾さん、相変わらず鬼っすね」  奴隷越しに薬の効能をよくわかっている柳は、鷲尾の提案にほんの少し驚いたような目をした。  けれど、その興味はすぐに美波に移る。キマッた美波との交尾を第三者に見られるなんて、一応はスタッフのくせに目立ちたがりな柳にとっては最高の余興だろう。  これは会員に提供する為の調教ではない。  ただの、暴力。性欲、排泄欲の捌け口。だから潤滑剤や前戯などもちろん無しだ。  柳はいきり立った逸物を、美波の無防備なアナルに捻じ込むようにぶち込んだ。当然ながら、美波は会ったばかりの男のものを咄嗟に食い締める。 「ひッ、ひぎィッ!! 痛っ……! ざ、ざけるっ……! ぐああぁっ!!」 「あぁ~、最ッ高。ムカつく刑事を犯してると思うと普段より増し増しで気持ちいいぜ。オラオラ、もっと泣き叫んでみろよ! 鷲尾さんには犬みてぇに甘えてたんだろ? オレにもク~ンって媚び売ってみろや、ギャハハ!!」  苦痛に満ちた悲鳴を上げる美波と、対極に笑う柳。しかし、そう時間の経たぬ内に薬の効果が現れてきた。 「は、はひ……あ、れ……痛く、ない……ああッ、そこ嫌だ……でも、うぐ、気持ちいいっ……?」  それこそ犬のように舌を突き出し、涎を垂れ流し始めた。 「ブハハッ。こりゃ傑作だぜ。オラッ、もっとして欲しけりゃ、大嫌いなヤクザにケツマン犯されるの気持ちいいですぅ~! って言ってみろよ」 「だ、れが、そんなこと……あうっ、やめ……ひゃめろぉっ……はぁ、ハァッ、あひィッ!!」 「ちなみにこれ全部、ビデオに撮ってあるからな~? へへっ、テメェが尊敬してた警視総監様にも見せてやるよ。きっと弾切れになるくらいシコりまくるだろうぜぇ? あの人はケッコー金落としてくれる太客だからな」  顧客情報を漏らすなよ、クズ野郎が。  そう思いはしたが、今の場面だけ無音にするか、最悪本人に高く売り付ければ良いと、鷲尾は無言を貫いた。  柳の自分勝手すぎる抽送も、薬の効いた美波にはもはや見ている以上に壮絶な快楽らしい。わずかに残った理性で耐えようとはするが、すぐに決壊して甘い喘ぎをこぼしてしまう。 「……だ、大嫌いな、ヤクザに……ケツマン……犯されるの……気持ちいい……ですっ」  一度言ってしまえば、箍も外れるか。 「おうおう、じゃあお望み通りもっとしてやる、よっ!」 「ひぃっ、あひィイイイッ!! そこそこっ、気持ちいいーっ!! ヤクザチンポで掻き回されるの、しゅごっ、しゅごいのぉ……!? おほぉおおおおおおッ!?」  獣の如く絶叫する美波は、既に正気の沙汰ではなかった。 「おー? そんなにイイのかぁ。んじゃ、もっとありがてぇ~モンやるよ。口開けてみ」  柳はそう言うと、命令通りにした美波の口内に濃く粘りのある唾液をたっぷり含ませた。 「オレ様のエキス、美味い?」  美波は訳もわからず飲み込むのみで、好きでもない人間の体液を飲まされるという羞恥は得られていないようだ。  それには柳も一瞬不機嫌そうな顔をしたが、なにぶん相手は麻薬に手を出した相手だ。真面目に取り合ってやる方が間違いである。 「へっ、まあいいや。遊ぶ時間はたーっぷりあるからなぁ」  すぐに気を取り戻して、美波を徹底的に犯し尽くすことに精を出し始めた。 「わ……ひはあああぁっ! しお、さ……なんで……くふぅっ! こんなのひどい……ひどすぎるよぉっ……あぁ……うわあぁぁぁぁっ……」  重大犯罪をいくつも重ねているあげく、赤の他人と交わせるという悪魔の所業を平然と行う鷲尾を視界に捉え、美波はほろほろ泣いた。  そんな美波に、鷲尾は何の反応も示さなかった。  奴隷にとってクラブでの時間は、表の世界で生活するより、とても長く感じるそうだ。  鷲尾は、どちらかと言えば逆だった。  表の世界が退屈なルーチンであるから、毎日何かしらの刺激があるクラブで過ごしていると、あっという間に時間が過ぎ去ってしまう。  美波も、そんな充実した時間が送れるよう、クラブは努力は惜しまない。 「楽しくなるといいですね」  柳に犯されて失神しかけている美波の髪を、去り際に撫でた。 「──ッ、かはッ、ぁあ……ぁ…………」  美波は、そんな羽のように軽いタッチであっても、ビクビク身体を不気味に跳ねさせていた。

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