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25-2 ※鷲尾×晃、フェラ、焦らし
美鈴はと言うと、ただでさえ妊娠と浮気が同時に発覚したところに離婚届を一方的に突きつけられ、なおかつ連絡もつかない状況で、精神的にかなり参っていた。
身重では公に訴える訳にもいかないし、向こうもすぐに別れる決意を固められないでいる。
ただ、一人だけ相談できる相手と言えば、鷲尾だった。こんなこと、女友達にも何を言われるかわからないからだろうか。
以前より頻繁に連絡が来て、その都度電話をしたり、実際に会って話を聞いてやった。
見る者が見れば、まるで美鈴が晃を捨てて、鷲尾に乗り換えたみたいだった。
だがそれも仕方がない。全ては老若男女関係なく虜にしてしまう魅力的な自分が悪いのだ。
「はぁ……俺、今虫の居所が悪いんだ。性奴隷ならそれ相応の態度でご主人様を気持ち良くしてくれよ、なぁ?」
そう言っても、晃はいまいち反応が悪い。
「おい。聞いてんのか。俺達に歯向かって東京湾にコンクリ詰めにされて沈んでる奴も大勢いるんだ、風呂ならどれだけマシか……」
「ヒッ……! ぁ……は、はい……や、やります……怜仁くんを……ご主人様を、気持ち、よくっ……」
晃はずぶ濡れの身体でもってなんとか膝立ちになると、鷲尾の股間に顔を埋めた。
唇と歯で器用にジッパーを下げると、勢いよくいきり立った逸物が顔を出す。
それは怒りがほとんどの性的興奮によるものであったが、今までと違い立派に勃起していたことから、晃はほんの少し頬を染めた。
急かされるのも嫌であるから、晃はまず裏筋から先っぽまでを長く突き出した舌で舐め上げた。
「れるっ……れろぉっ、れるるっ……んッ……」
時折、舌は睾丸にまで及んだ。もごもご口の中で動かして吸い付いてみたりする。
犬のように何度も何度も舐め回して、頬を窄めて唾液まみれになった竿全体を口に含む。
「ふッ! ううっ、んっ! じゅぶ、じゅぷぅっ……! けほっ、ぢゅるうぅうううっ」
そのまま必死に前後運動を行う。徹底して教えただけあって、フェラも上手くなっていた。
以前より抵抗感なくやってくれる──というより、目先の命令を何とか馬鹿にされず完遂しようと一生懸命な性格が出ている。
唾液と我慢汁が撹拌したものが晃の口元から垂れ落ちる。
鷲尾は健気な晃の頭を押し、喉奥まで侵入させる。
「がはっ! んぶぶっ! ごぶっ! うぐ、ぅ、じゅぶっ、じゅるうぅううっ!」
亀頭と口蓋垂がぴったりキスをしても、晃は苦しそうに頭を振るだけ。
どうせ逃げられやしない。だから余計なことをして傷付けられるのも御免だ。クラブに来てから、さすがの晃ももうその身で痛感していた。
「出すからな。全部飲めよ」
冷徹に言うと、晃の身が強張った。そのまま容赦のないイラマを受けながら、喉奥までたっぷり射精されるのを目を伏せて待つ。
やがて灼熱のように熱い白濁が迸り、晃の口内をみっちりと汚した。
「んんんっ!! おぇっ……んぐ、ごく、ごくんっ……っぷは……んっえぇ……」
喉仏が上下し、しっかり精液が嚥下されるのを見届けると、舌を出すよう命じる。
そこにも白濁はついていなかった。紛れもなく、全て飲み込んだのだ。
次は肛門を犯してやろうと押し倒したところで、鷲尾は晃の変化に気付く。
「ん? お前なに勃たせてるんだよ? 俺のをしゃぶってて興奮したのか? それとも早くこれでマンコを犯されることを想像してたのか?」
「え……? ぁっ……あぁ……っ」
驚愕する晃が恥ずかしそうに目を見開いた。
「どっちなんだ?」
「……それは……あの……そ、の……」
珍しく晃が口ごもる。
「どっちも……。怜仁くんが勃起してるの見て、舐めてたら、身体の奥がジンとしてっ……これでお尻でセックスしたらどんなに……って……」
晃には不釣り合いな、淫らな言葉だ。
「そっか。そう褒められると俺も良い気分だ。じゃあ、もっと言って?」
また耳打ちした。カッと顔が赤くなり、少女のように困った顔をする。
「ぅ……うぅ……ご主人様の、チンポ……僕の性奴隷ケツマンコにハメて滅茶苦茶にしてください……ど、どんなに泣いても苦しがっても無視して、す、好き放題に使って、くださいぃぃ……」
「よしよし。良い子だ。それでこそ俺の“奴隷”だな、晃」
鷲尾は心底嬉しそうに頭を撫でてやる。
ごく最近まで“親友”と呼び慕っていた頃を思い出したのか、晃は複雑な顔色になった。
けれどそれももう終わり。余計なことは考えられない、愉悦の世界に連れて行ってやる。
鷲尾は晃のアナルに怒張をあてがい、一気に最奥まで穿ち抜く。そうして、深いストロークを始める。
「ひゃううっ!? い、いきなり、激しっ……!? だめえぇええっ!!」
晃の身をがっちりと掴み、強すぎる律動を送り込む。
張り出したカリで前立腺とその周辺を抉りまくってやると、晃の目尻に快感の涙が浮かぶ。
「んはあぁぁああああっ! 怜仁くんっ……そんな勢いで動かれたら、お尻ぃっ……ケツマンコの中っ……ゴリゴリってぇっ、擦り潰れっ……壊れちゃうからぁあああっ!!」
けれども、もちろん止めることはない。苦しがっても無視してくれと、好き放題にしてくれと、さっき晃が自分から言ったことだ。
そのせいか、普段より箍が外れている晃の喘ぎ声が獣のようになってきた。
「んおおっ! おおっ! あはあぁっ! や……なに、これっ……止まんないっ……! 僕も腰動かすの止まんないぃぃっ! 怜仁くんのオチンポ欲しくて身体が勝手にっ……なんでええぇっ」
試しに強く掴んでいた手を離してみる。腰の動きも止めてみる。なのに、晃はまだ足りない、もっとしてくれというように、貪欲に身をくねらせていた。
晃の大切なものを奪ってきて、精神的、肉体的苦痛を課してきた結果が、まさかここまでとは……。
恐怖と屈辱で他人を洗脳するのは大の得意であるが、あのいつでもあっけらかんとしていた晃にも通用するなんて。
自身の人を調教する力においても、鷲尾は改めてうっとりと口端を吊り上げた。
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