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26-2 ※鷲尾×美波、薬物、快楽地獄、電気椅子
超ハイスピードで動く長大極太バイブも、工事のような轟音を鳴らして非情に美波の尻を掘削していく。
スウィングするたびに美波の薄い腹にその形が見えるほどだ。
浅い前立腺付近から結腸の奥深くまでずっぽり挿入されて取れず、腹の内側から彼の精神を、肉体を蝕み続けている。
「んっぎいぃいいい……ッ! イッてる! 今イッでるからぁっ! マンゴの奥までゴリゴリ擦れるうううおお゛っ! んおっ! ケツゥウウおほおおおおお゛っ!!」
並の人間にやったら、あまりの苦痛で一瞬にして失神しているところだろう。なのに美波はその全てに性感を感じている。
それを象徴するように、尿道バイブの隙間から、我慢汁が溢れて止まらない。パールを抜き差しするたびに凹凸が小孔を擦り、洪水のように噴出する。
「あおおおおもっといきたいいきたいイギたい゛っっっ!! チンポの抜いてぇっ! ドラッグ効きすぎ変態淫乱マゾ奴隷イカせてくだしゃぃいいいいいいっ!!」
せいぜい派手に気をやればいい。バイブで尻をほじくりながら、尿道の栓を思い切り抉るようにして引き抜いた。
「あへぇえええええええッ!! いいいイッてる!? やっとチンポイキしてるのに射精できないなんでえぇっ!?」
白濁を出せない代わりに、高められすぎた身体は違う感覚を催したようだ。バイブをぎゅっと締め付けながら、美波は不自然に腰を前後左右に揺する。
「あっひいいいいいっ!? だめだめだめっ、皆さんの前でおしっこ出る出ちゃう出ちゃうううっ!!」
大声を上げて背を弓なりに反らせ、美波の猛ったペニスからは我慢に我慢を重ねた結果、大量の透明な液体がビシャビシャ溢れ出る。
観客に向かって盛大に潮を撒き散らしていた。
「っは……はひ……漏らしたぁ……俺の身体ぁっ、何にも我慢できないくらい馬鹿になってるぅ……はひひぃ……」
肩で息をし、そのフラフラの頭をこつんと椅子にもたれる。恍惚と長く舌を出して涎を垂れ流す美波は、幸せそのものの表情だ。
本当の意味で脳も壊れている。だがこれでいい。
美波はもう、二度と元には戻れないところまで来ている。
バイブもずるりと取り出してやると、腕ほどに拡がった腸内と、ヌラヌラ照り光る腸汁が丸見えになった。
「がはッ……あぁ……。きもち、いいッ……鷲尾さん……すき……大好きぃ……好き好き好きぃッ……んはぁっ……」
あれだけ他のスタッフや会員達に抱かれても、一応、鷲尾のことは特別だと思っているのか。
当の鷲尾はと言うと、別に美波のことなど人として、いや虫けらよりもどうでもいい存在だとしか思えない。鷲尾は無感情に美波を見つめた。
でも最期くらい、憎まれたままでいるより、感謝さえされた方が心持ちが良いというものだ。
「ものすごい乱れっぷりですねぇ、美波さん。あんなに大切だって言っていたお姉さんのことも、すっかり忘れちゃったんですね」
「姉……ちゃん……?」
「ええ、そうです。あなたは失踪したお姉さんのために必死になって勉強して、刑事になって、それからもずっと頑張ってきたのに」
「あ……俺…………っ」
美波の虚ろな目がゆっくり動く。まともじゃない頭で、なにかを考えているようだ。
しかしそれも、もはや霧がかった遠い記憶の中から探し当てることは不可能に近かった。
「俺に……姉ちゃんなんか……いたっけ……」
「あはっ」
「忘れちゃった……忘れちゃったよぉ……鷲尾さん……俺、そんなに大事な姉ちゃんのこと……全部忘れちゃった……頭の中がぐるぐるもやもやして、何も思い出せなくて……セックスのことしか考えられなくてぇっ!! どうしよう、鷲尾さん……あひゃっ、ひゃひゃひゃひゃひゃ!!」
「良いんですよ、美波さん。嫌なことなんか全て忘れてしまえばいい」
美波の人生において最善の選択とは、とっくの昔に失踪して生死などわかるはずもない姉など、きっぱり忘れることだ。
さらに言うなれば、その選択を学生時代にして、警察官になんかならなければ良かった。
そうすれば美波は人並みの生活はできたはずだ。
むしろそんな人生だったのだと割り切った方が、鷲尾のように楽しい日常が待っていたかもしれない。
だがそれも、選ばなかった道に過ぎない。
現に美波は、“最悪の道”を選んでしまった。
可哀想だとは思わない。これは運命だったのだ。
「さて……それでは皆様、お待たせ致しました。これより死刑執行のお時間です」
おおっと会員達がどよめいた。
美波が座っているのはただの椅子ではない。現在ではほとんど使われていない非人道的な死刑執行器具──電気椅子だ。
「し……けい……? しけいって、なに……?」
「やれば楽になれるそれはそれは素晴らしいことですよ」
「そ、そうなんだ……今でもこーんなに楽しいのに、もっと楽に……嬉しい……鷲尾さん、ありがとうっ! あははははははははははははははっ!!」
しかしその言葉の意味さえ、今の美波には理解できない。ここまでの所業を行った鷲尾に感謝すらして、高笑いをこぼした。
強い電圧のブレーカーを容赦なく上げる。
彼には死ぬまでに少々時間がかかる殺し方を選んだ。どれだけ麻薬をやっていたとて感電地獄の苦痛は避けられない。
「あひゃひゃひゃひゃうひぃいっひひひっひぃいいい!! ……ぁ、ガァアアアアアッ!?」
狂人のごとく笑い続けていた美波が、耳をつんざくような鋭い悲鳴を上げた。突如として高圧電流が全身を襲ったのだ。
「ぉ、ァッ……アアアアア……あぎぃうぎいぃぃぃぃぃ……」
声にならない声を上げながら、かろうじて拘束されていない手足の先をビクビクと激しく跳ねさせ、ゆっくりと肌や髪や肉が焦げて溶け、鼻が曲がるような臭いが漂ってくる。
それでも美波は死という運命から絶対に逃げることはできない。
普通は目隠しをするが、あえてしなかった為、眼球も飛び出して溶け、さらに鼻や耳からも出血して赤黒い涙を流した。
当然、そうまですると息も出来なくなってくる。
無言でただ身を痙攣させる姿は不気味そのもので、まるで悪霊にでも取り憑かれたみたいだ。
やがて、美波が泡を吹いて動かなくなった。
これは会員達への見世物だ。だから過激なほどにやった。
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