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28-2 ※輪姦
無様な姿で会員共に囲まれている晃を、冷徹に見下ろす。
すると、晃が途端に顔を紅潮させ、床に寝転がされた身をくの字に曲げて、自身を抱くように縮こまった。
「ぁ……やめっ……やめて、ください」
なんだ? もうとっくに輪姦されまくっているだろう。
その身体は、心は醜く汚れているだろう。ここへ来て綺麗ぶるつもりか?
「怜仁くんが……ご主人様が……僕の一生の親友が見てるんですっ……! は、恥ずかしい……」
……駄目だ。想像より死ぬほどつまらない理由だった。
「皆様、始めてください」
呆れ返った鷲尾を横目に、会員達は「なんて可哀想な晃くん」などと心にもないことを言いながら晃に襲いかかった。
篠宮を快く思っていなかった会員はたくさんいる。皆、その息子を好きにして良いとあらば、最初から獣欲を剥き出しにした。
ギンギンに我慢汁を溢れさせたペニスを口内に、アナルに躊躇なく挿入したり、両手に無理やり持たせて扱くよう命じる。時には、肌や髪に押し付けるようにして快感を得ている者もいた。
さらには執拗に乳首を責められ、甘噛みされる。晃は突如始まった輪姦地獄にいやいやと赤ん坊のように首を振った。
「んぶぶッ!? ぐぶっ! おぇっ……ぶはぁっ! ひぁ、ぐっ、や、め……そんなに一度に相手できな……がぼぉおおおッ!!」
晃がどれだけ抵抗したところで、会員達にとっては耳に入らない。
頭や腰を押して喉奥や結腸までの奥深くを掘削し、晃の人間性を根こそぎ奪っていく。
自分は家畜以下の奴隷で、こうして見ず知らずの男に性奉仕をしなければ生きていけないと思い知らせる。
「おおッ、篠宮家の坊ちゃんというだけで価値があるのに、このマンコの締め付けがたまらんッ、中で出すぞ!」
それでも、まだ晃にとって嫌悪することはあるようで。
「うひいいぃぃぃっあぁあ゛っ!? 中出しっ!? 怜仁くん以外の全然知らない人からの中出しいぃいいいいっ! やだあぁああああっ!」
仮面の男の熱を身体で受け止めながら、晃はみっともなく泣いている。
そんな晃の様子に感極まった喉奥を犯していた男も、「俺のザーメンありがたく全部飲み干せ!」と叫んで口内に精子の濁流を放出させる。
「んぶっ……ぶっ……げほっ……ごくっごくん……うぇっ、ぐすんっ」
吐き出してさらなる仕置きを受けるのは御免だったのか、晃は意外にも男の言う通りに精液を全て飲み下した。というより、もう慣れてしまっているのだろうが。
ピクピクと全身を痙攣させながら、口から尻穴から、強引に持たされて扱かされた新鮮なイカ臭いザーメンを滴らせる晃。
誰がどう見ても淫猥極まりない晃に、誰かが言った。
「悪魔!」
「いいや、ここまで儂らをたぶらかすとは、まるで淫魔じゃな。それも本当に性質の悪い……ヒヒッ」
「悪魔!」「悪魔!」「悪魔!」「悪魔!」
会員達が揃って晃を糾弾する。
だが晃はどれだけ情けない目に遭っても、いわれなき罪をなすりつけられても、何も言わなかった。俯いて、ただ悲しそうに無言を貫いている。
さぞかし慈しみのある晃のことだから、ここにいる会員一人一人が何故こんなことをする人間になったのかバックグラウンドを勝手に想像し、哀れんでいるのかもしれない。
家庭環境が悪かった? 学生の頃、いじめに遭った? 社会人になって、病むほどのハラスメントを受けた? 人に騙されて、借金をした? 最愛の家族が死んで、精神がおかしくなった?
じゃあそういう理由があれば何してもいいのか。
俺も両親を失った可哀想な男だから、何人も何人も犯して殺して死体は解剖して溶かしたり埋めたりしたぞ。
へえ、それでもいいんだ。
この偽善者が。
少なくとも、晃の凌辱に参加している者でそのような悲惨な過去があった人間は居ないのに。
皆、生まれついての異常人格者であるというだけなのに。
偽善者極まりないよ、お前は。
でも、ここまでのお人好しは少なくとも俺の人生には居なかったな。
ハンディカメラを片手にじっと無表情で晃を見つめる。資金源となっている男の為にも、会員達にも、この痴態は未来永劫残るものだ。
「なっ、ぁ……やめて! と、撮らないで! 僕のこんな姿、撮らないでぇっ……!」
「何を今さらカマトトぶってるんだか。お前の恥ずかしいところなんてなぁ、とっくにこのクラブ中に知れ渡ってるよ」
「う、そ……」
どんどん新しいペニスに蹂躙され、悲痛な叫び声を上げながらも、晃自身その肉体に覚えさせられてしまった火照りを抑えることはできない。
皆が一心不乱に悶え狂う様は、まるでよってたかって屍肉を食らうハゲワシのようだった。
「ごめ、なさい……ごめんなさいっ……ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ……!!」
その謝罪は誰にしているんだろう。
全ての元凶となった、母を轢いた運転手に? 身を挺して守った家族に? 今の情けない自分に? 会員達の機嫌の為に? ……まさか、この俺に?
「ブフッ……」
思わず失笑が漏れる。
「ブッ、くく、ヒャヒャヒャヒャ! 相当頭イカれてるよ、こいつ。つくづくお人好しの馬鹿だ」
身の程知らずの奴隷には、徹底的に自分がとっくのとうに人間を辞めているとわからせないと。
「ヒィッ、熱……気持ち悪っ……ああっ、やだぁっ……!」
虫のように這いつくばって逃げようとする晃の周りを囲んでいた男達のザーメンシャワーが、晃を目掛けて一斉に降りかかった。
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