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第6話

「じゃあ、ベッドの上でだけ名前で呼ぶってのは?」 「ふ、えっ……?」 「こういう、やらしーことしてる時だけ呼ぶってこと」  慣らす指ですでにとろけきっている瞳を俺に向け、朝陽は意味を飲み込むようにしてぱちくりとまばたきをする。  普段爽やかな分、こういう頭が働いていない時の顔はギャップも相まってとんでもなくエロい。 「やだ?」  十分慣らして役目を終えた指を抜き、代わりに開かせた足の内側、皮膚の弱いとこに唇を寄せる。焦らしに焦らされて強い快感を望んでいる朝陽にしたら、もどかしいくらいの刺激だろう。  正直なところ、だいぶ卑怯なタイミングでの要求だとわかっている。それはたぶん朝陽も。 「……さくやのいじわる」  呟くような、呻くような、そんな小さな声だったけれどもちろんそんな可愛い文句を聞き逃しはしない。  その可愛すぎる名前呼びが耳に入った瞬間、自分にスイッチが入ったのがわかった。ラットの時よりも欠片だけ理性は残っているけれど、そんなもの誤差に過ぎない。 「ひうっ……!」 「俺が、なんだって?」  ……まあ、朝陽が焦らされている以上に俺が焦らされてるわけで。  しなやかな腰を掴んで上げさせ、慣らしたそこにすっかりと勃ち上がっていた自分自身をねじ込むようにして挿入する。  油断した一瞬の隙を突いたからか、一気に奥まで届いたのがわかった。そのせいで朝陽が硬直している。 「あっ……あ、や、んっ」  その体を引き寄せ、試すように腰を揺らしてみればぐぽぐぽと卑猥な音が朝陽の体の中に響いた。遅れて朝陽が浅い呼吸を再開させ、なにかを言いたげな潤んだ瞳を俺を見る。赤くなった目元がやけに色っぽい。 「文句があるならやめるけど」 「ずるい」  多少きついけれど痛みはなさそうだし、やめてほしくもなさそうだったからまずは緩やかなピストンから始める。浅いところを擦られれば薄い下っ腹が痙攣するように震えて感じてることを伝えてくれるし、深いところを突けばため息みたいに甘い声が漏れだす。  今までが清らかに生き過ぎていたせいか、朝陽の体はやたらと敏感で可愛い。

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