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第7話
「はあ……あ、あぁ、ん、んっ」
なにより綺麗な顔が快感に歪んでいるのを見ると、新しい性癖に目覚めそうで少し危機を感じるほど興奮してしまう。今の状態だけで十分色っぽいけど、普段とのギャップを考えるとよりエロくて卑怯なほどだ。
程なくして朝陽の両手が俺の背中に回ってきた。
もっと、の声の代わりとして受け取って、よりスピードを上げる。いいところに当たるとわかりやすく声が跳ねるから、反応を耳に入れつつ何度もそこを擦るように突き上げた。
「あっ、ああっ、ん、や、さくや……っ、そこばっか……っ」
「そんな締めつけんな、って言いたいとこだけど、中すっげぇとろとろ。そんなイイ?」
「ん、ふあっ、あ、や、あぁ……んっ」
抑えきれずに漏れ出す声は、普段のはきはきしたものと違って甘くとろけている。その声を聞いているだけで、朝陽の中で俺の硬さが増すのがわかった。
本当に、よくもまあ俺に会うまでこの体を守り切ったなと感心してしまうほど見事にエロい。
「こっちは自分で、な」
朝陽の手を取って自らを握らせると、ゆるゆると動き出したからそれを確認してから改めて自分のために動き出した。
「は、あ、さく、や、もぉ、イっちゃう……っ」
「ん、いいよ、そのまま」
上擦った声で解放を求める朝陽を促すように、そして自分自身の快感も追って、反応の強い場所を擦るようにして突き上げる。
堪えて、堪えきれずに果てる朝陽の刺激を受けて、俺も達した。
体が軽くなるほどの真っ白さ。
こういう時の満足感で、体の相性がいいんだとしみじみ思う。
大きく息を吐いて汗とともに垂れた前髪を掻き上げると、朝陽がとろんとした視線を向けてきた。だから、ティッシュで朝陽の腹の上の残滓を拭いながら問いかける。
「なに」
「……かっこよすぎてずるい。ばか」
「なっ……おい」
拗ねるような口調でとろとろと呟いて、朝陽はそのまま満足げに目を閉じた。すぐに聞こえてきたのは穏やかな寝息。
このタイミングで、とんでもないセリフを残して、まさかの寝落ちとか。
「ずるいのはどっちだよ……」
すやすやと、それはもう気持ちよさそうに眠る朝陽を、叩き起こさずキスだけに留められた俺を誰か褒めてほしい。
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