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「ッ、て、テメェ何しに来たんだよ!」 「バカか?買い物に決まってんだろ? それよりも、お前の態度ってよ‥‥ お客様は神様だろーが?愛想よく笑えって」 「誰がッ!金積まれてもずぇ〜たいヤダね。猿にやる笑顔はねぇし邪魔すんなッ」 「このっ、バカ犬がー…」 まだ何かを言いたそうにしている猿の後ろから、すみませーん…とレジの催促が入り、急いでレジに向かう (俺は猿なんかに構ってられねぇんだよッ) これがもし来てくれたのが羽鳥だったら めちゃくちゃ嬉しくてヤル気もいつもの10倍は出てたのに 猿の顔を見た事でテンションガタ落ちだ 気分悪くレジ打ち連打していると レジカウンターに一つガムが置かれた 「ありがとうごッ‥‥‥チッ!」 「おい今、舌打ちしただろう?」 職業病にしてやられた‥ 反射的に笑顔を見せ、つい口から出たお礼の言葉 こんな奴についうっかりでも言っちゃうとは。 「猿、テメェに売るモンなんかねーし!」 「このッ‥‥そんな態度でいいのかよ? 店長呼ぶか?店員の態度で気分悪ィなったってクレーム入れてやってもいいんだぞ?」 「テメッ!」 ニヤリとしたスマし顔がさらにムカつく 脅す奴が神様な訳ねぇんだよッ と、そう思っていても 不本意極まりないけども、仕事は仕事であって 猿倉が置いたガムを手にし、バーコードを読み取った ピッ‥‥ と、電子音が鳴り金額がレジに表示される 「120円です‥‥ガム温めますか?」 「は?」 でもやっぱり腹立つもんは腹立つもんで… 「ガム、あ・た・た・め・ま・す・かッ!!」 「なに?」 店員を馬鹿にするとどうなるか目に物見せてやると、ガムを掴んだ

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