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③
「少々お待ち下さーい」
「あっ、おい!」
普通なら聞かれないレジでの質問に、反応が遅い猿倉の隙をつき
やるなら今がチャンーースッとばかりに
掴んだガムを電子レンジに入れて、バンッとトビラを勢いよく閉める
「な!バカ犬、テメェ何してッ‥」
やっと俺がしようとしている事を理解した猿が突っ掛かって来ようとする
と、タイミングよく
チンッ!
出来上がりを知らせる合図
「大変お待たせしましたー、熱いのでお気をつけて‥‥」
湯気を立ち上らせたガムを目の前に差し出す
触った瞬間、ちょっと柔らかく‥‥
いや、かなり溶けた様な感触がしたけどそんなもんはお構いなしで
「お召し上がり下さーい!」
今日イチ最高の笑顔で笑ってやった
「ッ、このバカ犬何しくさったッ!」
「うっせー、客が偉そうな顔するなバーカ!
客が神様?ハンッ!
どこのどいつがそんな事抜かしたか知らねーが、貴様の分際で買える事自体有り難く想え」
「貴様って、様‥の使い方間違いやがって!
さっさと新しいガムと交換しろよ、バ・カ・い・ぬ!」
「エロ猿にはホットガムで十分ですからッ。それ食べて、口ん中ヤケドしやがれッ」
「このッ!」
「やるかぁあ!」
レジでギャーギャー騒いでいたら
バックヤードから缶ジュースが詰まったダンボールが投げつけられ
俺は悪くないのに
猿のせいなのに
そのダンボールに見事顔面ヒットし蹲る俺に、血管浮き彫りにしたサングラスを掛けたヤクザのような店長が
「ぶちくそがぁあああっ、真面目に仕事しろがわりゃぁああ!」
続けざまおもっきり頭突きをして来たことによって気絶
朝までレジカウンターの床にそのままの状態で放置されていたらしい
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おにぎり温めますか?は北海道だけですが
ガムは…流石にダメです
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