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②
「せんせー、休まして」
「なんだ犬井?拾い食いして腹でもクダシたか?」
独特の消毒液の匂いが香る保健室に入れば、嫌味を言いつつも
笑って受け入れてくれる保健の先生
「ひどっ!俺、そんな食い意地張ってないし。つーか、ちょっと気分が‥‥」
「ははっ、そりゃ珍しいなお前に限って。
そのベッド使ってもいいけど、俺これから出掛けるから。あーーっと、ヨダレ垂らすなよ!」
(うわ、最後の一言が余計だっつーの)
ホントに具合が悪い奴が来たらどうするんだ?
そう思って声を掛けようとした時には、すでに先生はバタバタと走って行った後
よっぽど急いでいたようで、あっという間に足音が遠のいて行く
「まっ、いっか。そん時はそん時で。じゃッ、お言葉に甘えて‥‥」
ベッドに腰掛ければ、ギシッと音が響き渡る
実際、具合が悪いという訳ではなくって、寝不足のせいで頭がボーとする程度
起きていても問題は無いから寝なくてもいいけど、せっかくここにベッドがあるのだから‥‥
と、横になれば案外寝心地が良くって
ムカムカしていた怒りも、まどろみ始めた途端、なんかどうでもよくなってしまった
「ふ、ぁ‥貸し切りの保健室‥サイコー…」
静かな空間に暖かい部屋
誰にも邪魔される事なくヌクヌクと一人でベッドを占領出来て
昨日、熟睡出来なかったせいもあり、すぐさま意識が沈んで行く
そして肩までフトンを上げた所で、俺は完全にまぶたを閉じた
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