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「せんせー、休まして」 「なんだ犬井?拾い食いして腹でもクダシたか?」 独特の消毒液の匂いが香る保健室に入れば、嫌味を言いつつも 笑って受け入れてくれる保健の先生 「ひどっ!俺、そんな食い意地張ってないし。つーか、ちょっと気分が‥‥」 「ははっ、そりゃ珍しいなお前に限って。 そのベッド使ってもいいけど、俺これから出掛けるから。あーーっと、ヨダレ垂らすなよ!」 (うわ、最後の一言が余計だっつーの) ホントに具合が悪い奴が来たらどうするんだ? そう思って声を掛けようとした時には、すでに先生はバタバタと走って行った後 よっぽど急いでいたようで、あっという間に足音が遠のいて行く 「まっ、いっか。そん時はそん時で。じゃッ、お言葉に甘えて‥‥」 ベッドに腰掛ければ、ギシッと音が響き渡る 実際、具合が悪いという訳ではなくって、寝不足のせいで頭がボーとする程度 起きていても問題は無いから寝なくてもいいけど、せっかくここにベッドがあるのだから‥‥ と、横になれば案外寝心地が良くって ムカムカしていた怒りも、まどろみ始めた途端、なんかどうでもよくなってしまった 「ふ、ぁ‥貸し切りの保健室‥サイコー…」 静かな空間に暖かい部屋 誰にも邪魔される事なくヌクヌクと一人でベッドを占領出来て 昨日、熟睡出来なかったせいもあり、すぐさま意識が沈んで行く そして肩までフトンを上げた所で、俺は完全にまぶたを閉じた

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