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⑤
涙まで出てきたと言って、本当に目頭を拭っている猿倉に…
「………なぁ、猿」
俺の中で青い炎が灯る
ユラユラ、ユラユラ…と。
その炎は今までに感じた事のないほどの静かな怒り
猿に対してでも自然と笑顔を作っていて…
「くくッ…あ?なんだよ」
「いや、俺もう起きるからさ、ほら、どうぞ。これからこのベッド使うだろ?」
「は?なに言ってんだ?」
「いやいやだって、今度はお前が寝るんだし」
「バカ犬はなに寝ぼけた事言って…」
「だから…こう言う事だって言ってんだぁあああッ!」
猿の腹目掛け、右手に力を込めた渾身の一撃をめり込ませる
油断していたんだろう
綺麗に腹パンを決められ、ベッドに倒れ込むようくの字になって苦しむ猿に
「ぐっ、ぅうう…こ、このバカ犬が…痛だッ」
「ざまみれバーカバーカッ!一生寝てろッ、ハゲろ、このクズ猿がっ」
いい気味だ、とばかりにトドメの蹴りをおみまいし
保健室の扉を思いっきり閉めて
少し気分の晴れた気持ちで、教室に向かってダッシュした
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一矢報いる事が出来た犬井くんと反対に手を噛まれた猿倉くん
この後もきっと教室でやり合います…
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