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「え?猿はバナナだろ?‥‥バナナ以外も食べるんだな…」 「テメッ、ちっ‥‥俺は甘いの苦手なんだよ」 「はぁああ?」 矛盾してるだろ、そりゃ! だったらこのお菓子の山って‥‥ そう俺が思った事を羽鳥が感じ取ったらしい 「なんか女の子に貰ったらしいよ。 だけど、シシクラ食べれないからオレとイヌイで食べてくれって」 自慢かよ そう感じた俺に1年のバレンタインの日が蘇る 羽鳥からチョコを貰いたい俺は 自分で買ったコアラのマーチを持って羽鳥のクラスに行った時 わんさかチョコを貰っていた奴がいたなぁと思い出した それが猿倉だったとか記憶に無いほどその時の俺は自分の事でいっぱいいっぱいで… (絶対これなら羽鳥からチョコを貰えるッ) この可愛いコアラの絵柄 誰でも目を引き、思わずみんなに見せたくなる心理をつき 手に取ったコアラの絵柄を羽鳥は俺に見せてくるはずで、それを俺が欲しいと言えば 『イヌイにあげるね』 と、絶対手渡してくれる “チョコを俺にくれる” そんなシミュレーションを繰り返していた 結果は羽鳥はコアラの絵柄を見ないでバクバク食べてしまい、俺のバレンタインは不発に終わって行ったというそんな苦い思い出もあるけど、俺は甘い物は大好きで かたやこんなに沢山貰っても甘いのが苦手って… 「くく…ウプププッ、クハハーーだ〜腹痛いッ モテてもそれじゃあ、拷問かよ。だったら、この犬井様が有り難くいただいてやりますか!」 腹を抱えて笑った後 再度、お菓子に手を伸ばす と‥‥ ギューッッ‥ 突然、腕を力いっぱい掴まれた

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