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「痛っ、でぇェエッなにしやがるこの猿ッ!」 「その言葉はねーよな」 馬鹿力で俺の腕を離す事なく 上から目線ヨロシクな表情で見下ろしてきた猿倉 「『猿倉様と同じ空気を吸ってはいけない虫けら以下のダメ犬に、お菓子を恵んで下さい』 だろ?」 「へ?」 「ああ、それとも… 『いつも猿倉様の瞳を汚しているこの薄汚い馬鹿で駄目な意地汚い犬井にご慈悲を』でもいいけどな」 「な、にぃいいいいい!」 ここぞとばかりに人を蔑む猿を見た瞬間 俺の体に巡る血管全部ブチ切れた 「猿ゴラァアアアッ上等だテメェエ お菓子を馬鹿にする奴はお菓子に泣くのを解らせてやるッ」 「テメェこそ、おにぎりにココアって馬鹿にしてんのか。普通お茶だろーが!」 「俺がなに飲もうと勝手じゃねーかッ」 「ハッ、頭も馬鹿で味覚も馬鹿か?これ以上馬鹿になって大丈夫かよお前?」 「な、このっ!‥‥猿、テメェ甘いの駄目なんだろ?じゃあ、これでも‥‥」 我慢の限界 机の上には、ついさっき食べようとしていたエクレア それを目にした瞬間 手が動いていた 「喰らえェエエエッ!」 猿の口目掛けエクレアを突き出す ‥‥が 「な、に‥しようとしてるんだこのバカ犬が」 「ッ、てッ、テメェの大好きなクリームたっぷりエクレアを食べさせてやってんだっ」 「お前に、食べさせて貰わなくても、こっちは引く手、数多なもんでな。っ、つーか、お前が食えッ」 エクレアを食わせる食わせないの、この攻防 猿倉は俺の腕を掴み、ジリジリとエクレアを押し返す (この、馬鹿力ッ!) 負けてたまるか! と、力を込めようとした時 「うまッ、このエクレア美味い〜!!」 エクレアを絶賛する声が響き渡った その声がする方を見れば (ちょっ、めちゃくちゃ可愛い可愛い可愛い) 生クリームを口の端にちょこっと付けて、美味しそうにほお張る羽鳥が 眩しいくらいに可愛くて エクレアよりも美味しそうで 今、何をしているかなんて 一瞬で忘却の彼方

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