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④
「ん、ムグゥ、ンンッ!」
突然、襲い掛かった息苦しさ
口に詰め込まれた物が、さっきまで猿と押し合っていたエクレアだって事が分からないぐらい馬鹿じゃない
「うまいだろ?」
「ング、んぐぐッ!」
俺の力が緩んだ所を狙っての行動
卑怯極まりない
羽鳥にアーンして貰ってるなら昇天モンだけど、なんでテメェなんかにッ
そう言いたい
言いたいのに、口の中は俺の大好きな生クリームとパイ生地がモッチリしていて、アクセントのチョコが最高に美味しい
暴れてみるけど、最初っから掴まれていた腕では、猿から逃げるのは難しくって、勝ち誇った顔が憎ったらしい
とにかく口にあるエクレアを食べるしかないくて…
(この野郎ッ!!)
けども、やられっぱなしは腹立つ
だから‥‥
「ぉ、おい、犬‥‥」
ビクッと猿倉の指が反応した
クリームを嘗めるように猿倉の指まで唇を這わせてみる
「ぉ、おまッ、何し‥ちょ、ッ」
そのまま指先から、手の平と舌を滑らす
すぐに手を引っ込めると思ったけど、それもせず、でも声はよっぽど焦っているのか、普段ない感じの猿倉
顔が赤くなっている気もする
そんな猿倉のその手におもっきし‥‥
(隙を見せたな馬鹿がッ!)
「痛っだあーーッ!!」
歯を立てた
「んぐ‥ざ、ザマーみれッバカ猿っ。いい気になった罰だバーカ!」
「テメェよくも噛みやがったなぁああ、保健所に連れてってやるッ」
「ぁああ!?テメェなんか猿山に放置だ!バカ猿が、痛っっでーーッテメェェエ蹴ったな」
「うっせー、痛ッ!!この野郎ォオオ!」
ムカつく猿との、もみ合い掴み合い
ゴングの様にチャイムが鳴り響くまで、喧嘩は続けられた
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喧嘩する2人を横に、お菓子のほとんどは羽鳥くんが美味しくいただきました
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