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探すは探し始めたけども… (猿の‥‥弱点?) 改めて考えてみれば、奴の弱点と言えば甘い物がダメ…それぐらいだけ でもそんなのは奴にとって、痛くも痒くも無い事だと思うし あと知っている事って言うと 羽鳥に色目を使うエロい奴、そんな認識しかない だから‥‥ 「羽鳥、ちょっと聞きたい事があんだけど」 「なに、聞きたい事って?」 ムカつくけど猿のやつは羽鳥と一緒によく居るし、楽しそうに笑い合ってるのも見る 羽鳥なら何か知っているかも、そう思って 「あのな、‥ーーえっと、エ‥」 改めて、エロ猿の苦手な物って何? そう聞こうとしてフリーズする この弱点探しの事をもし猿に知れたら、返り討ちに合うとも限らない 一瞬にしてそう頭ん中に浮かび だから遠回しかもしれないけど 「羽鳥はさぁ、猿の好きな人知ってる?」 まずはそこから探りを入れてみた 突然降って沸いた質問に驚く羽鳥だったけど、首を捻り考えてくれる 「シシクラの好きな人?うーーん、聞いた事ないけど?」 「そっか‥じゃあさ好みのタイプとか?」 「好み?そうだな〜…あ!前に、見ていて飽きなくて癒される可愛い子って言ってたよ」 やっぱり羽鳥の事かっ 羽鳥にベタベタする時点でそうだと思ったけど 期待を裏切らない 「そっか、サンキュー!」 想像はしていたけどそんな早々、運良くとは行かなくて 残念ながら今日は収穫は無しだなと、諦める それからは学校終わりにバイトがあって バイトでは店長に小言を言われながら、商品陳列にレジとやる事は盛り沢山で あっという間に帰る時間の夜8時を回っていた 「店長、じゃあ時間なんで俺、上がりますね」 「おう、今日もお疲れさん。気ぃつけて帰れよ」 帰る支度を整えて、雑誌を並べ替えている店長に声を掛けていたら、入店を知らせる軽快な音楽 条件反射でいらっしゃいませ、と店長と声が揃い入り口を見れば 「げっ、猿!」 「あ?犬井ッ」 そこには 部活帰りなのかデカいスポーツバッグを抱えて店に入ってきた猿を視界に捉えてしまった後だった

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