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第1-2話●闇夜の秘め事
「……ッッ……ぁ……ぁ……」
思わず鈍い痛みが腰の奥へと響いて声を詰まらせれば、彼は我に返り、懺悔するように私へ口づける。腰の動きを穏やかにし、散ってしまった快楽の疼きを丁寧に詰み直していく。
ああ、なんて愛おしいのだろう――哀れな身代わりだと分かっていても。
彼は運がなかった。
親もなく、頼る者もおらず、私が設立に力を注いだ孤児院におり、私と出会ってしまった。
私が敬愛し、心の中で激しく求めたあのお方の――先王様の生き写し。
それだけのせいで、彼は私に囚われてしまった。
なんと哀れで可愛い子。
私に人生を狂わされ、未来を奪われ、体を捧げ、仮で付けられていた名前すら私によって捨て去られた。それでもこんなに私を激しく抱き、刹那でも心身を満たしてくれる。
また快楽の高みが見えてくる。
私は寝台の敷布を掴み、無意識に背を反らす。
彼が一段と私の最奥を押し込んで熱を注ぐ。
少しでも取り溢さぬよう、私は彼が生み出してくれた快感に沈んでいく。
意識が次第に途絶え、限界を告げてくる。
私の意識が完全に消える間際、彼は繋がりを解かぬまま私を抱擁する。
「……エケミル……さま……」
耳元で彼が私の名を囁き、物憂げな息をつく。
互いの重みで寝台が沈み、温かな腕に私は包まれ、ひどく安らぐ。
そうして目を閉じれば時を遡り、初々しかった彼との出会いが脳裏によみがえる――。
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